上写真＝山見大登の思い切りの良さが2ゴールを生んだ（写真◎J.LEAGUE）
■2024年8月25日 J1リーグ第28節（＠味スタ／観衆24,814人）
東京V 2-1 鹿島
得点：（東）山見大登2
（鹿）鈴木優磨
東京Vは7試合ぶりのマルチゴール
鹿島アントラーズから東京ヴェルディに期限付き移籍している選手は3人。林尚輝、染野唯月、松村優太が契約上、この試合には出場できない。主力3人を欠く条件をのみ込んでの試合になったが、そのマイナスの影響を東京Vは感じさせなかった。
前半から生き生きとしていたのが、3試合ぶりに先発した山見大登だ。左のシャドーFWとして、主にサイドからのドリブルで鹿島の守備陣を翻弄。31分には左からカットインして縦に短いスルーパスを通し、木村勇大の絶好機を演出した。45＋2分には、柴崎岳のパスをカットしてから自ら攻撃をスタートさせると、右からの齋藤功佑のクロスを胸トラップ、落ち着いてコースを突くシュートを放ったが、これはバーを直撃した。
鹿島は東京Vが5バックと4枚の中盤で築いた堅陣を撹乱しようと、前線の鈴木優磨、師岡柊生、名古新太郎、仲間隼斗が頻繁にポジションを入れ替えていく。こちらも36分にビッグチャンスが来た。左からのFKを名古がゴール前へストレートのボールを送ると、師岡がバックヘッドで右下のコースを突いた。しかし、GKマテウスのファインセーブにかき出される。
後半に入り、東京Vが51分にまたも山見のカットインからのシュートで狙うが早川が好反応でセーブ、鹿島も1分後にカウンターから名古がペナルティーエリア内で受けてシュートを放ったが、マテウスがストップ。GKのファインセーブが続き、この前後にそれぞれにPKかと思うような際どいシーンが続いたことで、ヒートアップしていった。
さらにスタジアムを沸かせたのは、やはり山見だった。63分、右センターバックの綱島悠斗がドリブルで持ち運んでからスルーパス、山見が抜け出すと、右からニア上をていねいに抜くフィニッシュで、ついに先制してみせた。これが、クラブにとってJ1通算800ゴール目のメモリアル弾。この1分前に選手交代によって山見は右サイドにポジションを移していて、いきなり功を奏した格好だ。
鹿島も攻めた。72分に右からのクロスに濃野公人が強烈なヘディングシュートを放ったが、マテウスがセーブ、こぼれ球をそのまま濃野が狙ったがまたもマテウスが足でかき出した。
そんな守護神のスーパーセーブの連発が、チームを乗せていく。75分、またも山見だ。ロングボールのこぼれ球に鋭く反応した齋藤が左足でシュート、早川はセーブしたものの、そこに現れたのが山見。ダイレクトでゴール右に叩き込んで、リードを2点に広げた。東京Vは3試合ノーゴールだったが、これで7試合ぶりのマルチゴールだ。
しかし鹿島もあきらめるわけはない。左からの藤井智也のシュートがブロックされたものの、VARチェックが入り、このときにハンドの反則があったとしてPKを獲得。90分、鈴木優磨が落ち着き払って決めて、1点差に詰め寄った。
このあとは、鹿島が猛攻を仕掛けてゴール前のシーンが増えていくが、東京Vが集中を切らさずに体を張り続けた。そして、およそ12分の長いアディショナルタイムのあとに、東京Vの4試合ぶりの勝利を告げるホイッスルが鳴った。
