上写真=中盤の底で効果的なプレーを見せた佐野。インターセプトから始まった3点目のアシストは見事だった(写真◎J.LEAGUE)
■2024年5月15日 J1リーグ第14節(@Eピース:観衆25,302人)
広島 1-3 鹿島
得点:(広)マルコス・ジュニオール
(鹿)植田直通、鈴木優磨、チャヴリッチ
「いけるだろうと思った」
前半の15分までに2-0とした鹿島はその後に追加点を奪えず、65分に1点を返されたが、佐野が効果的なプレーで嫌な流れを断ち切った。84分、広島FWピエロス・ソティリウのボールコントロールがわずかに乱れたスキを見逃さず、インターセプトから一気にドリブルでエリア内左サイドへ侵入。中央に折り返したボールをFWチャヴリッチが左足ダイレクトで蹴り込み、貴重な3点目をアシストした。
ボール奪取からの前への推進力という持ち味を発揮した一連の動きを「自分たちも相手も足が止まっていたのは分かっていて、うまくインターセプトできたので、いけるだろうと思った」と振り返る。最後はチャヴリッチの位置を的確に見極めてセンタリングを通し、「いい感じで横に流せたのでよかった」と静かに語った。
ホームで東京ヴェルディと対戦した前節、後半立ち上がりまでに3-0としながらも、そこから3失点して3-3の引き分けに終わり、連勝が3で止まる痛恨のドロー。この日も同様の展開になりかけていたが、「前節は苦しい展開にしてしまいましたが、今回は失点した後もチームは全然バラけていなかった」との感触があったといい、「チーム全員がやるべきことを、交代選手を含めてやり切ってくれた。本当にチーム全員でつかみ取った勝利だと思う」と胸を張った。
日本代表の森保一監督が会場で視察した一戦で印象的な活躍を見せた。「毎試合、自分の気持ちは変わらないし、やるべきことは変わらず、チームのためにやり続けることしか考えていない」と語りつつ、「その中で、ああいう風に3点目で自分の良いプレーを出せたのはプラスだと思う」と手応えもつかんでいた。
取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE