明治安田J1リーグ第13節11日に行われ、等々力競技場では川崎フロンターレと北海道コンサドーレ札幌が対戦。前半30分に加入2年目で初ゴールを決めたバフェティンビ・ゴミスがその後も2ゴールを重ねて、ハットトリックを達成。川崎Fを快勝に導いた。

上写真=ハットトリックの活躍で川崎Fを勝利に導いたゴミス(写真◎J.LEAGUE)

■2024年5月11日 J1リーグ第13節(観衆20,611人/@等々力)
川崎F 3−0 札幌
得点:(川)バフェティンビ・ゴミス3

ポストのゴミスと使う遠野の妙

 札幌は4バックで守る川崎F相手にサイドチェンジを駆使して攻めていった。幅を広げて中を突く狙いが随所で見られた。左アウトサイドの青木が中に入って3バックの左CB菅がサイドに開いてパスを受ける。そこからコンビネーションでゴールを目指していく。一方、右サイドはアウトサイドの近藤がパスを受けたり、右CBの馬場が受けたりしながら同様に広げた川崎Fの最終ラインを攻略しようと努めた。

 しかし、川崎FもGK上福元を中心にゴール前ではタイトな守りを披露し、ゴールは許さない。札幌の拙攻に助けられた面もあるだろう。25分、アウェーチームは青木とスパチョークがポジションを入れ替えて左サイドを攻略し、最後は鈴木がフリーでシュートを放ったが、ボールは枠に飛ばず、左に大きく逸れた。前節もそうだが「作る」まではスムーズでも、フィニッシュで精度を欠くシーンが散見した。

 序盤はやや札幌が押し気味だったが、ピンチのあとにはやはりチャンスあり。川崎Fが常套句そのままの展開を演出する。序盤から激しいバトルを繰り広げていた川崎Fのセンターフォワード、ゴミスと札幌のCB家泉のバトルで、40分、ゴミスが完全に上回ってみせた。

 遠野が送ったボールをボックスのすぐ内側で受けたゴミスは家泉を背負いながら左に鋭く反転。自らシュートコースを生み出して右足でシュートをねじ込んだ。

 昨年8月に加入後、公式戦でゴールのなかったストライカーがついにネットを揺らした。2019年のACLでMVPと得点王を受賞し、フランス代表歴も持ちながら、これまでその得点力がJリーグのピッチで示されることはなかった。だがこの日、その力をまざまざと見せつけることになった。

 40分、再びゴミスがネットを揺らす。再びポストプレーからだが、今度は遠野とのパス交換でゴールへのルートを生み出した。ボックス内側で家泉を背にしてパスを受けるとワンタッチで走り込んできた遠野にリターン。自らはマークを外してスペースに動き、遠野からの折り返しを右足で決めた。

 そして前半のアディショナルタイム。右ウイングの一から左にポジションを移動させていた家長が札幌の最終ラインの裏にパスを出し、マルシーニョが抜群のタイミングで抜け出すと、札幌のGK菅野がたまらずファウル。川崎FがPKを獲得し、これをゴミスがパネンカ(チップキック)で決めてハットトリックを達成した。

 前半終わって3−0。大きなリードを手にした川崎Fは後半、無理をすることなく試合を進めていった。対する札幌は後半開始から鈴木、家泉をそれぞれキム・ゴンヒ、岡村に代えたが、状況を好転させることはできず。スコアは最後まで動かなかった。

 結局、そのまま3−0で試合終了。この結果、川崎Fは直近5試合は負けなしで、2勝3分け。順位も徐々に上昇させている。一方の札幌は3分け2敗。この試合でも最下位を脱することができなかった。

▼出場メンバー
・川崎F◎GK上福元直人、DFファンウェルメスケルケン際、ジェジエウ(88分:瀬川祐輔)、大南拓磨(75分:高井幸大※)、佐々木旭、MF脇坂泰斗、橘田健人、遠野大弥(88分:ゼ・ヒカルド)、FW家長昭博(75分:瀬古樹)、バフェティンビ・ゴミス(61分:山田新)、マルシーニョ(75分:山内日向汰)
※脳震盪による交代

・札幌◎GK菅野孝憲、DF馬場晴也(85分:小林祐希)、家泉怜依(46分:岡村大八)、菅大輝、MF近藤友喜(66分:長谷川竜也)、駒井善成、荒野拓馬(66分:高尾瑠)、青木亮太、浅野雄也、スパチョーク、FW鈴木武蔵(46分:キム・ゴンヒ)


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