開幕から3試合勝利をつかめなかったFC東京だが、アルビレックス新潟から加入したMF高宇洋が先発した4節のアビスパ福岡戦で快勝(3−1)。新戦力のボランチが攻守両面で大きな働きを見せ、チームは見違える戦いぶりを披露した。続く多摩川クラシコでは連勝とならなかったが、新風を吹き込んだ男に緊急インタビューを実施した。3日の浦和レッズ戦、7日の鹿島アントラーズ戦と国立競技場での連戦に臨む心境と、加入後の自身の歩みについて聞いた。

高い位置から奪えたらベスト

画像: 4節の福岡戦でフル出場を果たし、勝利に貢献した高宇洋(写真左◎J.LEAGUE)

4節の福岡戦でフル出場を果たし、勝利に貢献した高宇洋(写真左◎J.LEAGUE)

――バングーナガンデ佳史扶選手に話を聞いたら、キャンプ中からずっと高選手にポジショニングについてアドバイスをもらっていると言っていました。

 彼だけではないのですが、よくコミュニケーションを取っています。

――とにかく説明がわかりやすくて、話がすっと入ってくるとか。

 彼はまだまだですけどね(笑)。佳史扶もそうですけど、すごく良いものを持っている、才能のある選手が多くて、自分が感じたこと、思ったことを話すことで何かポジティブな変化につながっていけばうれしいですし、チームにとってもいいことだと思うので話しますね。

――ビルドアップの際に動くか、止まるかの話も?

 そうですね。動きすぎてもいけないので。

――初勝利後のチームの雰囲気はどうでしたか。

 雰囲気に関してすごく良かったですけど、ただまだ1試合ですし、先ほども言いましたが、これを継続しなければ意味がないと思います。その意味で川崎フロンターレ戦の敗戦は悔しいものでした。

――リーグ再開初戦となった多摩川クラシコは0−3で敗れてしまいました。

 相手はチャンスをしっかりと仕留めましたけど、僕らはシュート自体が少なかった。チャンスの量をもっと増やさないといけないと思います。自分たちがチャンスをものにする力も必要ですし、失点していたら勝てないので、ゼロに抑えるところも突き詰めないといけない。

――福岡戦で得た流れを継続できなかった理由を挙げるとすると?

 前方向へのプレーを、質を伴ったうえでもっとやるべきでした。失点と退場(GK波多野豪が72分に退場)が痛かったですが、ゴール前に入っていく回数をもっと増やさないといけないですし、より攻撃的にプレーするなかでもゲームコントロールは必要だと感じました。そこの質を上げていかなければいけない。すぐに何かを劇的に変えられるほど、甘くはないと思っているので、もっと良くなるためにチーム全体で、しっかりすり合わせていけたらと思います。

――次戦は国立競技場で、中3日で浦和レッズと対戦します。今季の浦和に対する印象を聞かせてください。

 監督が代わって、シーズン開幕前に練習試合で対戦したときは、しっかりと後ろからつないでくるチームという印象を持ちました。ボールを保持される時間も結構長くて、手強いチームだなと率直に思いましたね。やっぱり各ポジションに素晴らしい選手がそろっているし、前には爆発的なウイングがいて、本当に注意が必要だと思います。

――そんな浦和戦についてポイントを挙げるとするとどうでしょうか。

 保持する力のある相手なので、高い位置でボールを奪えたらベストですけど、福岡戦のように、どこで奪いに行くのかの使い分けは必要だと思います。それはどの試合でも重要な部分ですけど。あとはやっぱり僕たちも攻撃的にというか、自分たちの時間は作りたい。それがないと連戦でもありますし、体力も削られて押し切られてしまうので。

――浦和戦から中3日で再び国立競技場で鹿島アントラーズ戦があります。国立での連戦は珍しいですが。

 去年、アルビレックス新潟時代にも国立競技場で名古屋グランパスと試合をしているのですが、代表戦もそうですし、高校サッカーもそうですし、国立はやっぱりサッカーの聖地みたいな場所だと思うんです。自分は今、FC東京という首都のクラブにいて、だからこそ連戦でやる機会があると思うし、名古屋戦も試合前の演出だったり、サポーターの数だったり、注目度も高かったと思います。そういう舞台なのでしっかりとチームとして勝ちたいですし、FC東京のサッカーを表現できたらなと思います。

――チームとして考えると、多摩川クラシコがあって国立2連戦があってとかなり大きな試合が続くように思います。

 確かにそうですね。ただ、僕自身はスタンス的に変わらないのですが、次のゲームに対してしかフォーカスできないんです。これは新潟時代の松橋力蔵監督がおっしゃっていたのですが、「目の前の敵が最強の敵だ」と。それはすごく自分の中で腑に落ちたというか、その敵を倒すためだけに準備していけたらと思うので、まず次の浦和戦で勝ち点3を取れるようにいい準備をして臨みたいと思います。

――国立競技場っていう舞台の大きさを考えると、初めてサッカーを見る、Jリーグを見る、あるいはFC東京を見るっていう観客もいるかもしれません。そういう方たちに自分をアピールするとしたら、どこに注目してほしいですか。

 常にボールに関与するところであったり。僕自身はあんまり目立たない選手だと思っているので、黒子というか。自分で言ったらあれなんですが、「高がいると何かチームがうまく回るね」とか、「やっぱ高がいるからチームが勝つね」と言われる選手になりたいと思うので、攻守両面で、常にゲームに関与しているなという印象を与えられるようなプレーをしたいと思っていますし、そんな存在だなって気づいてもらえたらうれしいです。

取材・構成◎佐藤景(フリーライター)

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