上写真=川﨑颯太の先制ゴールに喜びの輪!(写真◎J.LEAGUE)
■2024年3月9日 J1リーグ第3節(@U等々力/観衆20,757人)
川崎F 0-1 京都
得点:(京)川﨑颯太
「2点目を狙ったから」
川崎フロンターレには意地があった。前節、ジュビロ磐田にホームで5失点。4つの得点も挙げたものの、勝つことができなかった。鬼木達監督は続く京都サンガF.C.戦でGKを代えて、上福元直人に任せた。右サイドバックには橘田健人を、センターバックの一角には丸山祐市をそれぞれ起用した。
京都も同じだ。1分け1敗とまだ勝利がない。平賀大空をJ1初先発させ、松田天馬、三竿雄斗も帰ってきて、チームにパワーをもたらした。
ともにハイテンポで攻めに出る展開で球際も激しく、スミス・ルイス・ディーン主審もコンタクトをよく見極めてむやみに試合を止めないから、スピード感あふれる好ゲームになった。徐々に川崎Fは相手陣内に押し込み、京都がカウンターを狙う展開に。
スコアを動かしたのは、アウェーチームだ。65分、左CKがクリアされたが奪い返して攻め直し、左からのクロスに豊川雄太がシュート、GK上福元にセーブされ、もう一度パンチングされたが、そのこぼれ球を川﨑颯太が右足できっちり蹴り込んだ。
こうなると、川崎Fは次々に攻撃的な選手を投入して押し込んでいく。87分には右からのクロスで混戦となり、最後はバフェティンビ・ゴミスがヘッドで押し込んで、移籍後リーグ初ゴールで同点、と思われたが、VARチェックの結果、オフサイドで得点なしに。このまま京都が1-0で振り切って、今季初勝利を手にした。
「虎の子の1点、という表現になるんでしょうけど」とは京都の曺貴裁監督。
「1点を守りきったというわけではなくて、川崎さんに無失点はなかなかできることではないので、2点目を狙ったからこそ無失点で終えられたんです」
アウェーで先制して必死に逃げ切った、という展開ではなく、攻めの姿勢を貫いたからこそ得た勝利である。そんなふうに振り返って、今季初勝利、そしてJ1通算でアウェー50勝目の価値の高さを誇った。
川崎Fはこれで早くも連敗に。今回は攻撃陣が沈黙して完封負けとなったが、鬼木達監督は「最後の質のところと回数を増やすこと」を解決策の一つに挙げた。