上写真=局面では激しい攻防が繰り広げられた(写真◎J .LEAGUE)
■2023年7月29日 親善試合(@国立競技場/観衆45,289人)
川崎F 0-1 バイエルン
得点:(バ)ヨシップ・スタニシッチ
ともにチャンスを生み出したが…
最初にスタンドを沸かせたのは川崎Fだ。開始早々、前線からのプレスでボールを奪うとバイエルンDFの背後を突き、飛び出した飛び出した脇坂がボックス右からシュートを放つ。ボールは枠をとらえなかったが、ドイツ王者が肝を冷やす場面を作り出した。その後も小林、宮代がゴールに迫り、川崎は試合のスタートから積極性を示した。
対するバイエルンも5分過ぎから川崎Fのゴールを強襲し始める。CKからの新戦力キム・ミンジェのヘッド、ザネのパスを受けたテルのシュートと、敵陣に押し込んで連続攻撃を仕掛けていった。最終局面で精度をかいたものの、ボールホルダーに対するサポートが良く、チャンスを次々に生み出した。川崎Fの集中した守りの前に得点はならなったが、その迫力にはスタンドの観客から何度も感嘆の声が漏れた。
バイエルンぺースながらも川崎Fも積極的にゴールを目指したことで親善試合ではあるものの、テンションは高く、ボール奪取後に攻撃に転じる切り換えも早かった。両チームともにケガのリスクを考慮して球際で公式戦同様にバチバチやり合うことはなかったが、局面の攻防には見応えがあった。
57分、ついに先制ゴールが生まれる。後半から出場したスタニッチが中盤でボールを自らドリブルを開始。右から中央へドリブルで進出。味方とのワンツーでゴール正面に至るとシュートを放ち、ネットを揺らした。
川崎Fもゴール前に守備者はいたが、ワンツーで目線を動かされ、この場面ではスタニッチの動きに対応しきれなかった。
1点を追う形になった川崎Fはその後、さら選手交代させながらゴールを目指した。ただラストパスやシュートの場面で精度を欠いて、ネットを揺らすことができない。一方でバイエルンも空いたスペースにしっかりボールを動かして前進し、追加点を狙ったが、シュートにことごとく失敗。川崎FのGK上福元の好守もあったが、リードを広げられない状態が続いた。
試合は結局1−0で終了。バイエルンにとっては、決定機が多かったこともあり1ゴールという結果は悔やまれる数字だろう。決勝点を挙げたスタニシッチも勝利したことを評価しつつも、内容については反省を口にした。対する川崎Fもゴールに迫った場面は多く、後半は橘田、山田、名願が好機をつかんだが決めきれず。決定力は今季の課題ともなっているが、シーズン終盤に向けても改めて磨きをかけるべき部分として確認された。
▼出場メンバー
・川崎F◎GKチョン・ソンリョン(46分:上福元直人)、DF山根視来(46分:山村和也)、大南拓磨(63分:松長根悠仁)、高井幸大(63分:田邉秀斗)、佐々木旭(63分:登里享平)、MF脇坂泰斗(18分:瀬古樹→86分:尾川丈)、ジョアン・シミッチ(63分:名願斗哉)、橘田健人(75分:大関友翔)、FW瀬川祐輔(46分山田新)、小林悠(46分:レアンドロ・ダミアン)、宮代大聖(46分:遠野大弥→75分:家長昭博)
・バイエルン◎GKヤン・ゾマー、DFヌサイル・マズラウィ(46分:ヨシップ・スタニシッチ)、バンジャマン・パヴァール(46分:マタイス・デリフト)、キム・ミンジェ(46分:ダヨ・ウパメカノ)、アルフォンソ・デイヴィス(46分:フランス・クレツィヒ)、MFヨシュア・キミッヒ(46分:レオン・ゴレツカ)、コンラット・ライマー(46分:ライアン・グラフェンベルフ)、リロイ・ザネ、セルジュ・ニャブリ、ジャマル・ムシアラ(46分:アレクサンダー・パヴロビッチ)、FWマティス・テル(61分:アリヨン・イブラヒモビッチ)