J1リーグ第21節、横浜F・マリノス対川崎フロンターレが8日、日産スタジアムで行われた。前半はミスもあり、チャンスはあるものの、ネットは揺れず。後半も互いにゴールに迫っていったが、アディショナルタイムに川崎Fが決勝ゴールをスコア。BIG神奈川ダービーを制した。

上写真=ライバルとの重要な試合をモノにした川崎F。終了間際に車屋が決勝点を記録した(写真◎J .LEAGUE)

■2023年7月15日 明治安田生命J1リーグ第21節(@日産スタ/観衆42,772人)
横浜FM 0−1 川崎F
得点:(川)車屋紳太郎

川崎Fが最後の最後にこじ開ける

 過去6シーズンに渡り、J1のタイトルを分け合ってきた両雄だが、横浜FMが首位に立っているのに対し、川崎Fは9位と中位に甘んじている。そんな状況で行われた今回の『BIG神奈川ダービー』だが、互いに譲らぬ戦いが展開された。

 日中の暑さが残り、ナイターでも厳しい状況下でのプレーが余儀なくされたが、試合開始からゴールを目指す姿勢を見て取れた。それでもラストパスやシュート精度を欠いてゴールの生まれない状況が続く。

 前半をスコアレスで終え、迎えた後半。一つのプレーが試合がより激しさを増した。73分、途中出場の遠野が瀬川のスルーパスに反応して抜け出し、ボックス内でGK一森と入れ替わろうとしたがその瞬間に倒されて、PKを獲得した。

 川崎にとってはこの試合において最大のチャンスだったかもしれない。しかし、家長が蹴ったボールは、GK一森に右手でストップされ、ゴールはならず。一森にしてみれば、招いたピンチを自らの手で回収した格好になった。

 その後も川崎Fは遠野のカットインからのシュートなど惜しい場面を生み出し、横浜FMも右クロスにA・ロペスが飛び込むなどゴールに迫った。特に終盤は川崎Fが連続攻撃からシュートにつなげて、山根、佐々木、橘田が枠内に鋭いシュートを放ったが、いずれも一森が弾き返し、横浜FMはゴールを許さなかった。

 いよいよ5分間のアディショナルタイムに突入し、スコアレスで決着すると思われた90+4分。終盤になって勢いを増していたアウェーチームがついに均衡を破った。

 右CKの流れから、瀬川がライン裏にスルーパスを通し、大南が反応。ゴール前に折り返すと、車屋が体ごと飛び込み、ネットを揺らした。終盤になってさらにシュート意欲を強めていた川崎Fの姿勢が実ったと言える。

「最終的には気持ちの勝負と言って送り出して、最後のあの時間帯の彼らのパワーは頼もしく思いました。スタートの選手、サブの選手、それぞれが本当にいい役割をしてくれた。
 試合前、ここを勝てば一気に情勢が変わるという話をしましたし、非常に覚悟をもって臨まなければいけないと話していました。そういう中でプレッシャーもあったと思いますが、それぞれが責任をもってプレーしてくれました。この後にゲームに必ずつなげていかなければいけないと思います」

 試合後、川崎Fの鬼木達監督は、この勝利の価値の大きさを語った。ダービーは順位がそのまま勝敗を決めるわけではないとよく言うが、今回はまさにその通りの結果になったと言える。

▼出場メンバー
・横浜FM:GK一森純、DF松原健(46分:畠中槙之輔)、上島拓巳、エドゥアルド、永戸勝也(83分:水沼宏太)、MF渡辺皓太、藤田譲瑠チマ(58分:喜田拓也)、マルコス・ジュニオール(74分:植中朝日)、FWヤン・マテウス(58分:宮市亮)、アンデルソン・ロペス、エウベル(83分:杉本健勇)

・川崎F:GK上福元直人、DF山根視来、高井幸大、車屋紳太郎、登里享平(83分:佐々木旭)、MF脇坂泰斗(83分:大南拓磨)、ジョアン・シミッチ、瀬古樹(60分:橘田健人)、FW家長昭博、山田新(60分:遠野大弥)、宮代大聖(67分:瀬川祐輔)


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