2023年5月12日、国立競技場で『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』が開催される(19時30分開始)。カードは多摩川クラシコ、『FC東京vs川崎フロンターレ』だ。プロになって初めての多摩川クラシコに臨む、青赤の左サイドバック、バングーナガンデ佳史扶に話を聞いた。

上写真=バングーナガンデ佳史扶はユース時代から強い思いを持って多摩川クラシコに臨んできたという(写真◎菊田義久)

取材◎佐藤景 写真◎菊田義久

すごい場所で熱い試合を

ーー5月12日、国立競技場でFC東京対川崎フロンターレの一戦が行われます。昨季の京都戦に先発し、国立競技場でのプレーはすでに経験済みですが、まず、スタジアムについて、どんなイメージを持っていますか。

佳史扶 そうですね。本当にすごいスタジアムというイメージです。先日、日本代表のウルグアイ戦でもファン・サポーターの方がたくさん入っていて、改めてすごいなと感じました。

ーー今回の相手は川崎フロンターレ。Jリーグ30周年のスペシャルマッチでもあり、注目の多摩川クラシコになります。

佳史扶 本当に楽しみですね。

ーープロになってから川崎と公式戦では対戦していないそうですね。

佳史扶 そうなんですよ。昨シーズンの最終節は出場停止で出られませんでした。プレーしたいと思っていたので本当に残念で。ユースやジュニアユースの頃から川崎戦は負けたくないと思って強い気持ちを持って試合に臨んでいました。サポーターの方々も熱くなるし、それだけプレッシャーもかかるんですけど、だからこそプレーしたいと思う試合なんです。国立競技場でそういう試合を戦えるのは本当に楽しみです。

ーーしかも今回は『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』。今年はクラブも創設25周年でもあります。
佳史扶 今、21歳なのでJリーグ開幕は生まれる前のことなのですが、それだけ歴史があるということですし、歴史あるクラブでプレーしているんだと、今年は色々な機会で感じています。

ーー川崎戦で出場したら家長昭博選手とマッチアップすることになりそうです。どんなイメージを持っていますか。

佳史扶 技術が高いのはもちろん、すごく対人に強くて、クレバーな選手というイメージがあります。去年は最終節前の名古屋戦で出場停止になったんですけど、川崎戦を楽しみにしていて、家長選手とも対戦したいとずっと思っていました。それから川崎の選手について思うのは、いま東京でプレーしている塚川孝輝選手が川崎から移籍してきたときにも感じましたけど、技術が高いなと。そういう選手の集まりなんだろうなと、川崎フロンターレというチームをイメージしています。

ーー負けられないですね。

佳史扶 はい。熱い試合になると思いますし、勝利に貢献したいと思います。

ーー先ほどユース時代のお話がありましたが、2020年にプロになり、今年で4年目になります。プロ1年目と現在を比べた時、どんな部分に自分の成長を感じますか。

佳史扶 一番成長したのはメンタルですね。プレーに自信がなかったわけじゃないですけど、最初の頃は周りに合わせよう合わせようとしてしまって、なかなか自分のいいプレーを出せなかった。その点、今はいい意味で吹っ切れているというか、考えすぎていないというか。チームという集団の中での自分の良さの出し方を、試合を重ねていくことで感覚的にわかるようになりました。

ーー3月に初招集された日本代表での活動を振り返る中では、自分の持ち味の出し方が難しかったと話していました。

佳史扶 「良かった」と言っていただくこともあったのですが、自分としては周囲の評価と自分の感覚の間にギャップがあって驚きました。自分としては特徴を出せず、無難なプレーしかできなかったと思っていたからです。感覚的にはまだまだ自分は、このレベルなんだなって痛感させられました。

ーー3月28日のコロンビア戦は左サイドで縦関係を組む三笘薫選手と何度か好連係を見せていた印象もあります。

佳史扶 試合前からお互いに話はしていて、自分も薫くんの動きを見ながらプレーしましたけど、薫くんが僕に気を遣って、僕がやりやすいようにプレーしてくれていたからだと思います。まだまだ求められることをやらなければいけないと思います。自分としては内側に入るタイミングが特に重要だと思っているんですけど、入ったらそこにずっといればいいわけじゃない。インサイドの選手やウイングとの連係の中で何をするのか。前回の活動ではコミュニケーションと共通理解が大事だなと改めて思いました。

ーー代表も試合を重ねるうちに集団の中で自分の特徴を出すことができるという感覚はありますか。

佳史扶 そうですね。そうできるようにしたいと思っています。

ーー初招集を終えた今、自分の中で2026年のW杯がよりはっきり見えるようになった感覚はありますか。

佳史扶 距離感はあまり変わらないです。でも自分の立ち位置が明確にはなりました。ここからは自分がどうするか、自分次第だと思っています。

ーー自分次第でいかなる未来も築いていけると?

佳史扶 カタールW杯でも、よく見ているプレミアリーグでもそうですが、僕と同世代か、さらに若い選手が普通に活躍しています。そう考えると自分はもう若くない。

ーー今回の代表選出はむしろ遅いくらい?

佳史扶 理想からしたら遅いですね。むかし書いた目
標ノートには「カタールW杯出場」と書いていたので。


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