上写真=鬼木達監督は札幌戦黒星に「何回、悔しかったと言ったかわからない」(写真◎スクリーンショット)
「攻撃的であり続けることを」
10月1日のJ1第31節、北海道コンサドーレ札幌に90+12分という長いアディショナルタイムに逆転ゴールを決められて、川崎フロンターレは敗れた。残り4試合で首位の横浜F・マリノスとの勝ち点差は8に広がった。
試合の直後に鬼木達監督は自分を責めた。この黒星は、勝たせるマネジメントができなかった自らの責任だ、と。それはどういう意味だったのか。
「いろいろなものに対応する頭の柔軟性が、もっともっとなければいけないと思います」
凝り固まってはいけないという自責の念だ。
「信念がありますから、そこにチームを向けていくところと、もう一つは、同時に試合に対して何が最善でどうやったら勝てるのかをいつも考えています。自分もエラーがありますが、ゲームの中でリカバーするところはより意識しなければいけないということです。信念の部分とゲームを勝たせる部分、その両方ですね」
過去は変えられないが、未来に生かさなければならない、というのは、監督も選手も同じだという。
「どんなときでもその瞬間はいろいろ考えて、最善と思って決断しているので後悔はないですし、それを次の学びとしてやっていくしかない。そこは選手と一緒ですよね。次に何を考えるか。考えないことが一番の罪ですから、自分もそこはしっかりと挑みたい」
その姿勢を見せるのが、次の清水エスパルス戦ということになる。残留のために相手も必死だ。
「サッカーのところでいうと、改めて自分たちらしいもの、攻撃的であり続けることを見せていかなければならないと思っています。攻めているときはもちろん、守備のときでも主導権を持ってできるか」
札幌戦でも、それがまったくできなかったわけではないのだ。
「この前の試合ではビハインドから逆転までいって、選手は本当に素晴らしい戦いをしてくれたと思うし、感動が生まれてもおかしくない試合でした。でも、勝たせられなかった。自分が勝たせる仕事をしなければいけなかったと思います」
再チャレンジの場は、ホームの等々力陸上競技場だ。
「一戦必勝であと4つ、なおかつホームで3試合戦えるので、当然勝ちを目指します。同時に、何か伝わるもの、サッカーの面白さをしっかり伝えられるゲームにしたいと選手に話しています。サッカーのことで言えば自信を持ってボールを受け続けてほしいですし、表情を見ても、楽しんでいたり戦っている顔を一つひとつ大事にしながらやっていければいい」
にじみ出るフットボールの楽しさ。それもまた、鬼木監督の「信念」に含まれている。