10月1日の明治安田生命J1リーグ第31節で、サンフレッチェ広島と浦和レッズが対戦。前半から主導権を握って得点を重ねた広島が、3-0から1点を返された後も突き放す追加点を挙げ、今季ホームゲーム最多の観客の前で会心の勝利を収めた。

上写真=22分に森島が先制点を決めた広島は、第1子が誕生したばかりのエゼキエウに捧げる、ゆりかごパフォーマンスを披露した(写真◎J.LEAGUE)

■2022年10月1日 J1リーグ第31節(@Eスタ:観衆:17,421人)
広島 4-1 浦和
得点者=(広)森島司、荒木隼人、満田誠2
    (浦)柴戸海

・広島メンバー◎GK大迫敬介、DF塩谷司、荒木隼人、佐々木翔、MF茶島雄介(72分:野上結貴)、川村拓夢、野津田岳人(89分:松本泰志)、柏好文、森島司(72分:エゼキエウ)、満田誠(86分:柴﨑晃誠)、FWドウグラス・ヴィエイラ(86分:ナッシム・ベン・カリファ)

・浦和メンバー◎GK西川周作、DF酒井宏樹、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、大畑歩夢(70分:関根貴大)、MF伊藤敦樹(62分:柴戸海)、岩尾憲、大久保智明(87分:明本考浩)、江坂任、小泉佳穂(62分:ブライアン・リンセン)、FW松尾佑介(62分:キャスパー・ユンカー)
 ※実際のポジションで表記

前線からのプレッシャーで圧倒

 この日の広島地方は朝から雲一つない快晴で、日差しのあるところは10月とは思えない暑さとなった。15時3分キックオフの試合中も、ほとんどの時間帯でピッチ上に太陽の光が降り注ぎ、公式記録の気温は30・2度。前後半とも飲水タイムが設けられる厳しいコンディション下での一戦となった。

 立ち上がりから広島が浦和のパス回しに猛然とプレッシャーをかけ、ゴールに迫るシーンを作った。8分にはCKのこぼれ球をMF茶島がミドルシュート、浦和GK西川がはじき、FWドウグラス・ヴィエイラが右足で狙ったが、わずかに右に外れる。

 浦和も何度かプレッシャーを回避して敵陣までボールを運んだが、再び広島が主導権を握り、22分に先制点を奪う。浦和のゴールキックからのパス回しにプレッシャーをかけ、GK西川まで下げさせると、西川がエリア内のMF岩尾につないだ瞬間、広島MF森島が間合いを詰める。岩尾はワントラップ後に西川に戻そうとしたが短くなり、森島がスライディングで先に触ってシュート、止めようとした西川と交錯しながら、こぼれ球を蹴り込んだ。

 広島は24分にも敵陣でボールを回収してMF野津田が左からセンタリング、逆サイドまで流れたところをMF茶島が右足で合わせたが、左に外れた。苦しいパス回しが続いた浦和も43分、うまくパスをつないで攻め込み、ゴール前中央からMF小泉が右足で狙うもGK大迫の正面。前半アディショナルタイムにもエリア内からMF大久保が左足で狙ったが、これもGK大迫に左足で防がれた。

 広島が1点をリードして迎えた後半は、こう着状態が長く続き、浦和のリカルド・ロドリゲス監督は60分過ぎ、FWユンカー、FWリンセン、MF柴戸を同時に送り込む指示を出した。しかし、準備ができた3人がタッチライン際で待っていた62分、広島がCKを獲得。はね返されたボールを拾った茶島がシュート、浦和の選手に当たって右サイドの森島に流れると、森島の折り返しに荒木が飛び込んで2点目を蹴り込んだ。

 さらに広島は71分、またも敵陣の深い位置でボールを奪い、MF川村がゴール前左サイドのMF満田へパス。満田がうまく持ち出してエリア内でフリーになると、左足でニアサイドの上に突き刺して3-0とした。

 浦和は74分、右サイドを抜け出したユンカーのパスからリンセンが右足シュート、広島GK大迫が防いだこぼれ球を再びリンセンがヘッドで狙ったが、これも大迫が防いだ。だが、このプレーで得たCKを短くつなぐと、大久保のセンタリングをリンセンが頭で流し、飛び込んだ柴戸がヘッドで合わせて1点を返す(得点時間は76分)。

 しかし広島は、ここから試合をクローズするのではなく、なおも攻めて突き放す。83分、ゴール左寄り約30メートルの位置でFKを得ると、満田が右足を振り抜いて直接シュート。これがGK西川を破ってゴール左に決まり、ダメ押しの4点目とした。

 1失点はしたものの、ボールホルダーに圧力をかけ続けて主導権を握った広島は今季ホームゲーム最多、1万7000人を超える観客の前で会心の勝利。ミヒャエル・スキッベ監督は「どんどん前からプレッシャーをかけて、前から行けたので相手にサッカーをさせず、そこからチャンスを作ることができた。全体的に素晴らしいパフォーマンスだった」とチームの出来を喜んでいた。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE


This article is a sponsored article by
''.