上写真=佐々木雅士が俊敏なセーブで失点を1に抑えた(写真◎J.LEAGUE)
■2022年9月17日 J1リーグ第30節(三協F柏/12,276人)
柏 1-1 川崎F
得点者:(柏)ドウグラス
(川)小林悠
「ピッチで示すことができた」
柏レイソルのゴール前に、佐々木雅士が仁王立ちだ。川崎フロンターレが優勝を狙うために負けられないのと同じように、柏もAFCチャンピオンズリーグの出場権を手にする3位以内に入るためには、勝たなければならない。
佐々木のビッグセーブが何度もチームを救った。
27分、宮城天の短いパスで中央に出てきた橘田健人が思いきって狙ったシュートを、左に跳んでかき出した。32分に右のニアゾーンに潜り込んだ宮城に対して前に飛び出してブロックした。
特にこの2つが印象的だ。最初のシュートストップは「構えて」対応した。
「磐田戦、浦和戦と続けて1対1で決められるシーンがありました。そこから自分が寄せるのか止まって構えるのかを練習をしてきて、あのシーンでは冷静に対応できたかな。寄せきらずに構えて対応したのが、止めることができた理由です」
宮城の突破に対しては逆だった。嫌らしいところを突いてくるのは川崎Fのお家芸だが、今度は迷いなく飛び出して防いだ。
この日の柏はいつもの5バックではなく、4バック。後ろから声でコントロールした。
「自分が出るのかディフェンスに任せるのかは、5バックでも違いはありません。ただ、川崎のサイドアタッカーに出たあとのカバーを誰がするのか、その連動のところのコーチングはすり合わせてきました。明確にできたと思います」
8月以降はサンフレッチェ広島戦で3失点、FC東京戦で6失点、浦和レッズ戦で4失点など、ゴールを預かる身としては苦しい時間が続いていた。
「失点が重なった試合では、自分で防げる場面が多かったと感じていました。どういうメンタルで自分が挑むかを意識して今日の試合に入って、失点はしましたけど、自分が示せるものはピッチで示すことができたと思います。こういうゲームを毎試合やっていかないとダメだな、と今日の試合が終わって感じました」
38分に小林悠に決められたが、63分に細谷真大の粘りからドウグラスが決めて追いついて、勝ち点1はもぎ取った。その細谷とともに、U-21日本代表の一員として親善試合を戦うためにヨーロッパに向かう。
「こうやってチームで試合に出ることができて、(代表入りという)結果につながってきていると思います。いまの自分のパフォーマンスではまだまだ厳しいところは多いけれど、いい準備をして代表でもいい結果を出せればと思います」
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE