上写真=広島は1人少ない苦しい展開にも、今季初の5連勝で首位へ(写真◎J.LEAGUE)
福岡が名古屋に「ゴール献上」
横浜F・マリノスはACLのラウンド16でヴィッセル神戸に敗れて、この日がリスタート。休養も準備期間も十分で臨み、FC東京を相手に前半は押し込んだ。40分に岩田智輝、45分に仲川輝人とゴールも2つ生まれて、後半をどう戦うか。しかしその最初からFC東京に押し込まれて、53分と63分にセットプレーから塚川孝輝に連続ゴールを浴びて、同点に追いつかれた。ここからオープンな攻め合いになり、ともにチャンスを迎えるもののこのままスコアは動かず。横浜FMにとっては痛い「マイナス2」になった。
ACLでは決勝進出を決めた浦和レッズは、その勢いもあって気合十分で鹿島アントラーズとのアウェーゲームに乗り込んだ。こちらは、アルトゥール・カイキに16分、27分と早々に2点を決められて苦しい立ち上がりに。しかし、30分に岩尾憲のパスから松尾佑介がターンして放った左足シュートが相手に当たってゴールに転がり込んで、すかさず1点を返したのが大きかった。攻勢を強めた浦和は、69分には岩尾の左からのFKに岩波拓也がニアに走り込んでヘッドで合わせて、同点に追いついた。横浜FMとは違って追い上げてのドローには持ち込めたが、勝ち越しには至らなかった。
最も苦しんだのはヴィッセル神戸。ACLでは準々決勝で全北現代(韓国)に敗れたが、悪い流れを断ち切れずに京都サンガF.C.に完封負けを食らった。開始1分もたたないうちに松田天馬に、9分にも豊川雄太にたたき込まれて、早々につまずくと、59分には小林友希が一発退場。結局、ゴールも生まれずに0-2のまま終えた。
首位争いで横浜FM以上に苦しくなったのが、川崎フロンターレ。湘南ベルマーレとアウェーでの神奈川ダービーに臨み、20分に右CKから谷口彰悟のヘディングシュートが知念慶の頭に当たって入り、2試合連続ゴールとなって幸先よく先制した。ところが、53分にPKを献上して町野修斗に決められると、90+3分にはかつて仲間だった阿部浩之に「恩返し弾」を浴びて逆転負け。湘南にはシーズンダブルを食らう形になり、勝ち点を得ることができなかった。
そんな苦しむライバルをよそに、首位に躍り出たのがサンフレッチェ広島だ。65分に塩谷司が退場する苦しい展開だったが、チームを救ったのがGK大迫敬介。清水エスパルスの鋭い攻撃を度重なるビッグセーブで止め続けた。もう一人が、75分から入った川村拓夢。83分にペナルティーエリア左に入って流し込んで先制すると、90+5分には自陣左、ハーフウェーライン手前からおよそ65メートルのスーパーロングシュートを決めて、2-0で勝負を決めた。
アビスパ福岡対名古屋グランパスでは、珍しいゴールが生まれた。20分、福岡のジョルディ・クルークスが相手との接触で背中から落ちて、名古屋のレオ・シルバが一度タッチラインから外に出した。福岡のスローインで再開し、ルキアンの折り返しをクルークスが蹴り込んで21分に1-1とした。ルール上は問題ないものの、名古屋が出したボールを福岡が返すのが通例とされており、名古屋側は猛抗議。名古屋の2分の先制ゴールは福岡のGK永石拓海がDF宮大樹と激突して倒れたが、そのままプレーを続けて決めていて、福岡からすればそれを踏まえた上でのプレーとなった。しかし、両監督が話し合って、このあとのキックオフから福岡が守備をしないまま、名古屋は永井謙佑が24分に決めて、いわば「白紙」に。38分に永井がもう1点を加え、福岡も平塚悠知が57分に決めて食い下がるが、67分に宮が一発退場となり、反撃は実らなかった。
J1第28節の結果
■9月2日
札幌 2-1 C大阪
得点:(札)キムゴンヒ、青木亮太(C)中原輝
■9月3日
鹿島 2-2 浦和
得点:(鹿)アルトゥール・カイキ2(浦)松尾佑介、岩波拓也
磐田 2-2 柏
得点:(磐)吉長真優、ファビアン・ゴンザレス(柏)ドウグラス、武藤雄樹
広島 2-0 清水
得点:(広)川村拓夢2
FC東京 2-2 横浜FM
得点:(F)塚川孝輝2(横)岩田智輝、仲川輝人
湘南 2-1 川崎F
得点:(湘)町野修斗、阿部浩之(川)知念慶
京都 2-0 神戸
得点:(京)松田天馬、豊川雄太
G大阪 0-3 鳥栖
得点:(鳥)西川潤、宮代大聖、小野裕二
福岡 2-3 名古屋
得点:(福)ジョルディ・クルークス、平塚悠知(名)森下龍矢、永井謙佑2