上写真=またもやモーベルグ! 2試合連続ゴールとなる先制点で浦和を勢いに乗せた(写真◎AFC)
■2022年8月22日 ACL準々決勝(埼玉/16,210人)
浦和(日本)4-0 パトゥム・ユナイテッド(タイ)
得点者:(浦)ダヴィド・モーベルグ、岩波拓也、小泉佳穂、明本考浩
前後半2点ずつで確実に勝利
ともに中2日の戦いとなったが、浦和は関根貴大が代わって入ったのみ。だが、疲労の色は見せずに序盤から全開だった。
いきなりゴールを割ったシーンがそれを物語る。岩波拓也が自陣深くから一気に前線に送り、自慢の俊足を飛ばして相手の前に出た松尾佑介が右足を振ってゴール左に突き刺した。しかし、松尾にハンドの反則があったとして取り消され、「幻の開始50秒ゴール」になった。25分にも関根が左からカットインして放ったシュートが左ポストをたたいてゴールに入るが、松尾がオフサイドポジションでボールに触れたとされて、こちらも幻となった。
それでも、地力に勝る浦和が支配して、ほとんど相手陣内でプレーを続けた。そして、32分に今度こそ先制ゴールが生まれる。左から関根が中央にドリブルで入ってきて、短くパス、松尾がスルーして、幻のゴールを決めたこの2人のお膳立てで、最後はダヴィド・モーベルグが左足で強烈に突き刺した。
これで浦和はやりたい放題。即時奪回からのショートカウンターも、両ワイドを攻略してからのクロスも、ニアゾーンを取ったチャンスメークも、コンビネーションによる中央突破も。そして42分には追加点。左から岩尾憲が蹴ったCKに、ニアに突っ込んできた岩波がヘッドで流し込んで、2-0とリードを広げて前半を終えた。
パトゥムも足元の技術が高い好チーム。後半は2点のビハインドを盛り返そうと、手倉森誠監督が「割り切って中央を3枚にして、相手のサイドバックが出てくるところにウイングバックを配置して、カウンターを仕掛けよう」とより攻撃的に挑んだ。51分のウォラチットのボレーシュート、55分の右からのイフサンの強烈なシュートなどで脅かす回数は増えた。
とはいえ、この流れを断ち切ったあとはまた浦和のターン。65分に右サイドで相手のパスをインターセプトしてドリブルで前進した伊藤敦樹が中央へ、小泉佳穂が左に一つ動かして相手の足を広げ、股の間を左足で射抜くテクニカルなショットでゴール右に流し込む追加点を挙げた。72分にも伊藤が右から持ち上がり、江坂任が受けて短くスルーパス、左から明本考浩が思い切り左足を振って突き刺した。このまま危なげなく4-0で勝利を収めて、準決勝進出を決めた。
パトゥムの手倉森監督は「何かを起こせそうな雰囲気だったが、終わってみれば0-4の完敗でした」と認めた。「国際レベルの戦いだと思い知らされたのは、切り替えのところで、奪ってすぐに相手陣内に入って脅かす速さがJリーグにはある」と学びを得た。「クラブ史上、一番のビッグマッチでした。そこで惜しかった負け方ではなくすっきり負けたことで、気持ちよく前に進めていける」と次を見据えた。浦和に対しては「ACLのタイトルをしっかり取ってほしいと思います」とエールを送った。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督は「2つのゴールを取り消され、そのあとにゴールを取るまでに苦労しましたが、全体的にいい試合はできたと思います」と納得の表情。だが、満面の笑顔ではない。「この前の試合でも言いましたが、まだ何も達成していません」と中2日で迎える決戦へと引き締めた。
その準決勝では、ヴィッセル神戸を破った韓国の全北現代と25日に戦う。東地区ナンバーワンの座まで、あと一つだ。
現地取材◎平澤大輔 写真◎AFC
ACL東地区ラウンド16以降の結果
〈ラウンド16〉
■8月18日
大邱FC(韓国)1-2〈延長〉全北現代(韓国)
得点:(大)ゼカ(全)ソン・ミンギュ、キム・ジンギュ
神戸(日本)3-2 横浜FM(日本)
得点:(神)飯野七聖、佐々木大樹、小田裕太郎(横)西村拓真、アンデルソン・ロペス
■8月19日
パトゥム・ユナイテッド(タイ)4-0 傑志(香港)
得点:(パ)ウォラチット・カニスリバムフン、イフサン・ファンディ・アハマド、ティーラシン・デーンダー、チャトモンコル・トンキリ
JDT(マレーシア)0-5 浦和(日本)
得点:(J)(浦)アレクサンダー・ショルツ、ダヴィド・モーベルグ2、キャスパー・ユンカー2
〈準々決勝〉
■8月22日
神戸 1-3〈延長〉全北現代
得点:(神)汰木康也(全)マドウ・バロウ、グスタボ、ムン・ソンミン
浦和 4-0 パトゥム・ユナイテッド
得点:(浦)ダヴィド・モーベルグ、岩波拓也、小泉佳穂、明本考浩
〈準決勝〉
■8月25日
全北現代 vs 浦和レッズ 19時半 埼玉スタジアム
※決勝は2023年2月19日(西地区ホーム)と26日(東地区ホーム)に開催予定