上写真=山根視来は福岡の「大きさ」を警戒する(写真◎J.LEAGUE)
「今年は逆に僕たちがプレッシャーを」
フアンマ・デルガド=188センチ。ルキアン=183センチ。山岸祐也=183センチ。ジョン・マリ=181センチ。
山根視来は「みんなサイズが大きいという印象があります」と、アビスパ福岡の「高さ」と「強さ」を警戒する。
川崎フロンターレはセレッソ大阪とのルヴァンカップ準決勝第2戦で、90+6分に2-2となる同点ゴールを浴びて、失意の敗退。その次のJ1第25節・京都サンガF.C.戦は台風8号の影響で中止となり、思わぬ休息が訪れた。
「連休を久しぶりにもらって、少しずつ良くなっている実感はあります」
山根の声にも張りが戻っている。フィジカルもメンタルもリフレッシュできて、頭の中も整理できた。
「そこはこの1週間をうまく使って、みんなの中でできています。大事なのは試合のピッチの中で、そのときにうまくいかずにどうしよう、と考えてしまうといけないので、そうならないように準備できています」
残すタイトルはJ1だけとなり、3試合消化が少ない状態から逆襲を狙う。首位の横浜F・マリノスを追う立場としては、取りこぼしは許されない。次の相手はアビスパ福岡で、アウェーでの一戦。昨年は0-1で敗れて、J1無敗記録をで30試合で絶たれている。
「去年はシーズンで初めて負けた試合で、そのときの福岡のサポーターの皆さんの歓声は覚えています。すごくメンタルに来た覚えがありますけど、やはり試合の入りで圧倒するのがアウェーでは特に大事だと思います」
福岡は今年もここまでリーグ最少失点と堅守自慢で、カウンターも鋭い。頭の整理ができた1週間を経て、攻守の狙いどころを少しだけ明かす。
「まずは中央から攻めていくことが大切です。それは福岡に限らずどの試合でもチャレンジしようとしていることで、中があって外がありますし、外があって中があるというのが目指す形なので、そこを出すだけかなと」
「福岡が前向きに揃ったときの守備は相当堅いので、そうなる前に攻めきることも大事で、背後に走るのも大事になってきます。あとはやはり、シュートを打つ、足を振っていくということが相手にとって脅威になると思います。シュートを打たれているな、と思わせることで、相手のバランスを崩す要因になると思っています」
相手が整う前に攻めきる。揃ったら中央から攻める。締められれば外から攻める。これまでの戦い方と変わらない。守備ではやはり前線のパワーがやっかいだ。右サイドバックの山根としては、逆サイドから入ってくるクロスへの対応に注意を払う。
「まずはクロスを上げさせないことが第一ですし、自分のマークに責任を持って、声をかけて、いいポジションを取ることですね。ジョン・マリも選手もフアンマ選手もルキアン選手も山岸選手もヘッドが強いので、自分がマークする担当になった選手に対して責任を持つことが大事になると思います」
残りは12試合。首位奪回への再スタートとなる重要なこの一戦から、勝ち点を落とすわけにはいかない。
「自分たちから崩れないことが大切です。去年はマリノスさんの結果を気にして、勝ち点1差まで迫られたときはプレッシャーを感じました。去年とは逆の立場で、今年は僕たちがプレッシャーを与えていければと思います」
最終節は11月5日。ここからおよそ2カ月半を一気に駆け抜けるためにも、この福岡戦で勝ち点3を手にして最高のリスタートにするつもりだ。