上写真=「等々力劇場」再び。ジェジエウが最後の最後で決勝点をヘッドでたたき込んだ(写真◎J.LEAGUE)
柏も劇的勝利で4連勝
連覇中の川崎フロンターレと現在首位を走る横浜F・マリノス。J1の「頂上決戦」は劇的な幕切れとなった。
負ければ3連覇が遠のく川崎Fは、勝ち点3を意地でも取りにいった。序盤からハイプレッシャーのかけ合いの中で、25分にレアンドロ・ダミアンが難しいバウンドのクロスに体を伸ばしてヘッドでうまく合わせて、川崎Fが先制に成功する。ところが、前半終了直前の45+3分、横浜FMが高速カウンターを仕掛け、エウベルのパスを仲川輝人がチップキックで流し込むテクニカルな「11秒弾」で同点に追いついてみせた。
後半もお互いに攻めて守って一歩も譲らない、迫力たっぷりの好ゲームになった。しかし、90+9分にドラマが待っていた。右からの家長昭博のクロスにジェジエウが高い打点からヘディングシュートを打ち下ろし、左ポストに当たってゴールに飛び込んでいった。ラストプレーの決勝ゴールで、川崎Fが2-1で勝ってなんとか踏みとどまった。
2位の鹿島アントラーズはサンフレッチェ広島を迎えた一戦。終盤まで0-0で進む緊迫の展開だったが、均衡を破ったのはアウェーチーム。83分に交代で入った川村拓夢がその1分後、右サイドからの野上結貴の折り返しを中央で蹴り込んで、自らのJ1初ゴールで先制してみせた。アシストの野上も73分からの途中交代で、その野上と同じタイミングでピッチに入っていたエゼキエウも、90+5分にカウンターから追加点。交代選手の大活躍で2-0で勝利を収めた。鹿島はこの黒星で5位に後退、試合翌日の7日にはレネ・ヴァイラー監督とコーチ2人との契約を解除して再出発を図っている。
代わって2位に浮上したのは柏レイソル。開始早々の7分に京都サンガF.C.の武田翔平のJ1初ゴールで先制される難しいスタートだったが、25分にはオウンゴールで同点に追いつく。そして、劇的な展開が待っていた。90+8分、ペナルティーエリア内右で受けた武藤雄樹が落ち着いて右足を振って、GK上福元直人の股下を射抜いてみせた。終了直前の逆転ゴールで4連勝として、横浜FMに6差の勝ち点42まで伸ばしている。
セレッソ大阪も順位を3位に上げてきた。新型コロナウイルス感染症で陽性となった小菊昭雄監督がこの日も不在だったが、ヴィッセル神戸を迎えたホームゲームで22分に幸先よく先制する。相手の最終ラインでのつなぎの乱れから、最後はアダム・タガートが蹴り込んだ。31分には鈴木徳真が左サイドでフリーになって、そのまま思い切り蹴り込むJ1初ゴールで追加点。神戸も多くのチャンスを迎えたものの、そのたびにGKキム・ジンヒョンが立ちはだかった。C大阪は87分にもセットプレーから加藤陸次樹がバースデーゴールをヘッドで決めて、3-0でリーグ3連勝を決めた。神戸は最下位に転落している。
ルヴァンカップ準々決勝と合わせて同一カード3連戦となったのが、名古屋グランパス対浦和レッズ。3日前の準々決勝第1戦は1-1で引き分けていたが、この日は名古屋が3-0で快勝だ。原動力になったのが、この夏に移籍してきた選手たち。まずは27分、右からマテウス・カストロと永井謙佑が連続で相手の股を抜いて中央へ、これを重廣卓也が難なく押し込んで先制した。45+5分にはカウンターから永井のラストパスでマテウス・カストロが流し込むと、64分には永井が相手ミスを拾い、永木亮太のシュートはGKランゲラックが弾いたが、走り込んでいた永井の胸に当たったあとに蹴り込んだ。永井、重廣、永木と新メンバーが結果を残し、名古屋はこれでJ1ホーム通算250勝、長谷川健太監督がJリーグ通算250勝と節目の勝利を満喫した。
J1第24節の結果
■8月6日
鹿島 0-2 広島
得点:(広)川村拓夢、エゼキエウ
京都 1-2 柏
得点:(京)武田将平(柏)オウンゴール、武藤雄樹
名古屋 3-0 浦和
得点:(名)重廣卓也、マテウス・カストロ、永井謙佑
C大阪 3-0 神戸
得点:(C)アダム・タガート、鈴木徳真、加藤陸次樹
■8月7日
FC東京 0-2 清水
得点:(清)カルリーニョス・ジュニオ、チアゴ・サンタナ
川崎F 2-1 横浜FM
得点:(川)レアンドロ・ダミアン、ジェジエウ(横)仲川輝人
鳥栖 2-0 磐田
得点:(鳥)宮代大聖、垣田裕暉
湘南 1-5 札幌
得点:(湘)阿部浩之(札)駒井善成、興梠慎三、宮澤裕樹、田中駿汰、青木亮太
※福岡対G大阪は中止。代替日は未定