上写真=キム・ジンヒョンが最後尾から仲間のハードワークを頼もしく見つめている(写真提供◎セレッソ大阪)
「だいぶ助けられていますね」
J1だけを見ても、ここ6試合で3勝3分けと無敗。天皇杯2試合とルヴァンカップを加えれば、9試合で5勝4分け。セレッソ大阪が強い。これでJ1では首位と勝ち点10差の4位、天皇杯はベスト8進出、ルヴァンカップでも4強入りの可能性を残している。
8月6日に迎えるのは、5連戦のちょうど真ん中の3試合目。ヴィッセル神戸とのホームゲームだ。前回対戦ではアウェーで1-0の勝利を手にしている。
「イニエスタを中心に、中を崩してくることが多いと思います。崩し方がうまいので、より中で堅く締めないといけない」
ゴールを預かるGKキム・ジンヒョンとしては、最も軽快すべき中央のエリアに堅陣を築くプランがある。一方で、神戸のリーグ戦におけるここ5試合を見ると、3勝1分け1敗で、特筆すべきは失点がわずかに3であること。堅い試合運びが数字に表れている。
「監督が代わって結果が出ていますし、もともといいチームだし、いい選手ばかりで個人能力もセンスも高い。僅差の試合が多いのは、ハードワークができているからだと思っています」
ただ、ハードワークなら負けない。こちらの堅陣をさらに効果的にしているのが、自分たちのゴールから一番遠いところ。つまり、最前線からの守備だ。
「前線からいつもどおりプレッシャーをかければ、簡単に中で崩されることはないと思うので、いつもどおりにみんなで一つになって戦えると思います」
小菊昭雄監督もシーズン途中にあえて強度を高めるトレーニングを導入したことで、強さと速さを獲得した実感を口にしてきた。キム・ジンヒョンも前線のハードワークに深く感謝している。
「だいぶ助けられていますね。前に行ってさらに後ろに戻ることまでやってくれていて、前でハマらないときでも、後ろで頑張ってくれますから」
力の限り戦う彼らのあとにも、さらに戦うベンチメンバーが控えている。
「前線の人が出しきる気持ちでやってくれていてすごくチームの力になりますし、出しきったあとから出てくる選手も攻撃力が高いから、相手にダメージを与えた上で攻撃に出ていけるんじゃないかと思っています」
C大阪の強さはその一体感。新型コロナウイルス感染症で陽性診断を受けた小菊昭雄監督に代わって指揮を執る高橋大輔コーチも「神戸は中盤を構築する力もアタッキングサードでの個のクオリティーもありますが、チーム全体でハードワークして組織的にやることが第一」と同じ絵を描く。
神戸に勝てば2位浮上の可能性がある。