上写真=鬼木達監督は攻撃の構築に手応えを感じている(写真◎J.LEAGUE)
「今度はそこからいつ背後を取りにいくか」
J1は7月を3連戦でスタートさせる。川崎フロンターレは7月2日にセレッソ大阪とアウェーで戦い、中3日でサガン鳥栖、さらに中2日でガンバ大阪をホームに迎えるスケジュールだ。
偶然だが、いずれも前回対戦で難しい戦いを強いられたチームとの3連戦になった。1-4C大阪、0-0鳥栖、2-2G大阪。
「借りは全部返したい思いがあります。強い気持ちでどのゲームにも臨んでいくし、こだわってやっていきます」
3位に後退し、前節ではジュビロ磐田に1-1に追いつかれたことで、首位の横浜F・マリノスとの差はじわりと3ポイントに開いた。引き離されずに追走するには、勝ち続けるしかない。いわば「返済シリーズ」の第一歩を踏み出す準備はできている。
「3連戦もそうですけれど、一つずつですので、まず一発目で借りを返したいと思います」
C大阪は4-4-2の並びでタイトな守備ブロックが自慢だ。どう突き破っていくか。
「すべてのチームに共通することではありますが、磐田戦の反省で言うと、一歩ずつだんだんしっかり意図してボールを動かせるようになってきています。それが成長だと思っていて、今度はそこからいつ背後を取りにいくか、そこの合わせ方だけだと思っています」
相手陣内に押し込んで、人数もかけて崩しにかかるところまで出ていける、という感触は、たとえば小林悠も「相手陣内まで押し込むところは順調」と語っている。
「ボールを持っていない人が何人も走り出しているので、そこを使えるかどうか、そして何回も繰り返せるか。実際には走り終わってボールが出なかったあとにチャンスになるというか、そこで相手も1回マークを外すので、1回は走っているけどそこから繰り返し突いていけるか。そこは強調して何回も行こうと話しています」
鬼木監督が狙うのは、パスが出なかったあとの一瞬のエアポケット。絶好のタイミングで出し手と受け手のイメージがぴたりと合うのがベストだが、そうではなかったときにもチャンスの芽があって、それを逃すな、という逆転の発想である。