上写真=札幌戦で待望の復帰。大島僚太の存在が川崎Fをさらに進化させる(写真◎J.LEAGUE)
「ここまでしんどさが残ることがなかった」
J1第17節、北海道コンサドーレ札幌戦、28分。
この試合で3カ月ぶりに復帰した大島僚太は、青木亮太に決められた先制ゴールの責任を感じていた。駒井善成が中央に差し込んできたパスを読んではいたものの、ゴール方向に戻りながら足を出したために、こぼれたボールが青木への絶好のパスになってしまった。「そこは見直して、もっと早く戻れるように整理しておかなければ」が試合直後の反省の弁だった。
実際にどう整理しただろうか。
「単純に戻るその前に、相手のつなぎで持たれていたところで僕自身が真ん中からふらっと前に出てしまって、そこに横パスでくさびを入れられたという流れでした。そこで出るなら違う選手に閉めてもらうとか、自分の頭を越えたら戻るという、当たり前のことをやらないといけないなと改めて思いました」
相手が低い位置でボールをつなぐ中で前に出たことで、遠野大弥との間に「門」ができてそこを縦に通されて、最終ラインの前を使われた。サイドに展開される間に戻ったものの、横パスでスペースを使われて間に合わなかった。改善には基本に戻るべし、という気づきを得た。
最終的には5-2で大勝して「救われた」と仲間に感謝したが、結局、ケガ明けにもかかわらず開幕戦以来のフル出場を果たすことができたのも大きな出来事。久々の実戦で体にはダメージも受けているから、回復には慎重だ。
「(6月23日の取材日で)試合からもう5日ぐらいたっていますけど、ようやく落ち着いてきたかなという感じがするぐらい。いままでケガをしてピッチを離れて、復帰して試合に出てもそんなにダメージが残る感覚はなかったんです。ここまでしんどさが残ることがなかったので、ここ2、3日はきつかった」
昨年、今年とケガが相次ぎ、復帰までにも時間がかかった。「ストレスしかなかった」「またケガをするかもしれないとも思っている」と苦しむ胸の内を明かしたが、隠さず口にできたこと自体が、完全復活への前向きな兆候なのではないか。
次は、後半戦のスタートとなる25日のジュビロ磐田戦。ダメージを乗り越えて、「100パーセントで臨めると思っています」と力強い。