上写真=85分に自らファウルを受けて奪ったPKを決めるドウグラス・ヴィエイラ(写真◎J.LEAGUE)
■2022年6月18日 J1リーグ第17節(@Eスタ:観衆9,311人)
広島 2-1 C大阪
得点者=(広)野津田岳人、ドウグラス・ヴィエイラ
(C)ブルーノ・メンデス
「今日という日を迎えられて本当にうれしい」
目に涙を浮かべ、声は震えていた。今季リーグ戦初出場で初得点を奪い、勝利に貢献したドウグラス・ヴィエイラは試合後のインタビューで「言葉にならないくらい、うれしいです。本当に難しい時期を過ごしましたが、ずっと神様と対話して、絶対に自分を見放さないという信頼もあった。自分のことを信じて戦い続けてきて、やっと、こういう形になりました」と感無量の面持ちで語った。
今季は筋肉系のトラブルなどが続き、JリーグYBCルヴァンカップのグループステージでは4試合に出場したものの、リーグ戦は前節まで1試合のベンチ入りのみ。コンディションが上がってからもチームが好調ということもあり、メンバー外の日々が続いた。
この日は4月の第9節以来のメンバー入りを果たし、先制された後の69分から交代出場。71分に惜しいヘディングシュートを放つなど意欲的なプレーを見せていた。78分に追い付いて迎えた85分には、エリア内のこぼれ球に素早く反応。「味方からのボールがDFとの間に落ち、自分がDFの前に体を入れることで、相手が足を出さざるを得ない状況に持っていけた」と振り返る動きでファウルを受け、PKを獲得した。
このPKを自ら右下スミに決め、ベンチ側のコーナーフラッグに走ると、これまでの苦闘を知るピッチ内の選手やベンチメンバーが次々と集まり、大きな喜びの輪ができた。試合終了のホイッスルが鳴ったときも、ピッチ内の選手は誰もがドウグラス・ヴィエイラに駆け寄り、抱き合って祝福した。
「うれしいという言葉しか出てこない。難しい時間が続いても、絶対に試合に絡めるだろうという気持ちでした。コンディションが良くても、なかなかメンバーにも入れない時期が続いたが、これだけやっていれば、いつか絶対に良い結果が得られると思っていた。信じ続けてやり続けた結果、今日という日を迎えられて本当にうれしい」
あらためて喜びを語ったドウグラス・ヴィエイラだが、この日からリーグ戦と天皇杯で週2試合ペースの7連戦が始まったこともあり、すぐに視線は次へ。「常に目標は同じで、勝ち点3を積み上げるために何ができるか。どんどんチーム力は上がってきているので、それを信じ続けてやり続けるだけ」と決意を新たにしていた。
現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE