上写真=知念慶はゴールに体を向ける工夫を組み込んで得点を狙う(写真◎J.LEAGUE)
「アウェーで取れるのは強みだと思う」
川崎フロンターレは5連戦の2試合目となる5月18日のヴィッセル神戸戦に勝ち、鹿島アントラーズを上回って首位に返り咲いた。13試合で20ゴールはリーグで3番目の数字だが、知念慶はレアンドロ・ダミアン、マルシーニョと並ぶ3ゴールを挙げていて、チーム内得点王である。しかも、出場時間は一番短いから、最も効率よく結果を残していることになる。
ACLで悔しい敗戦を喫して帰国してからチームは3連勝と好調だが、狙っている1試合3得点は今季はいまだ達成できていない。
「福岡も神戸もそうでしたけれど、4枚のラインを崩さずに低い位置で構える相手に対して中から崩すことがなかなかできていなかったので、もっと狭いところにランニングをかけるようにと鬼木さんも話していました。相手が動かないなら自分たちで動かす作業をやっていかなければいけないと思いました」
センターフォワードでのプレー機会が多い知念としては、中盤の選手がボールを持って前を向いた瞬間に、特にセンターバックを動かす工夫を仕込む。
「ゴールに背を向けてではなくて、前を向いてプレーしたいと思っています。狭い局面であってもゴールに向かっていかないと」
ゴールと反対を向いたままではフィニッシュを狙えない。そこで、相手との駆け引きが重要になる。
「調子がいいときは、自然とトラップや体の向きがゴールに向かいます。でも、迷いがあるときやポストプレーを意識しすぎてしまうと、ゴールに背を向ける癖があるんです。だから、ボールをもらうときには半身で前を向ける状況を意識したい」
今季の3ゴールは日産スタジアム、カシマスタジアム、ヤマハスタジアムで決めたもの。すべて敵地だが、「僕自身はこれまでもアウェーのゴールが多くて」と笑う。リーグ戦ではここまで20ゴールを挙げているが、14ゴール、つまり70%がアウェーで記録したものだ。
「ホームでの得点が少ない選手なので、もっと等々力でサポーターの皆さんにゴールを見せたいんですけど、逆に言えばアウェーで取れるのは強みだと思うので、次も期待してもらえればと思っています」
5月21日はサガン鳥栖とのアウェーゲームである。