上写真=宮城天は福岡戦では80分からの登場。ここからの連戦で出番は増えるはず(写真◎J.LEAGUE)
「入らないときは入らない」の潔さ
宮城天がいまほしいのは、ゴール。
川崎フロンターレの鬼木達監督は「いまがいろいろなところで伸びるタイミング」と、残念ながらACLで敗れたこのタイミングこそ「成長期」だとして、チームと選手の進化を促している。プロ3年目の宮城天も例外ではない。
宮城は今季、開幕から試合に絡み続けている。先発は1試合のみでほとんどが後半途中からの出場だが、チームの一員として存在し続ける実感がある。
「去年経験できたことが、今年大きくいい方向に働いています。試合に出たらやれると思うし、途中からの出場が多くて先発は少ないけれど、そこは自分がつかみ取るところなので、これからですね」
左ウイングのポジションはマルシーニョが好調で、8試合出場で3得点1アシスト。宮城は同じく8試合1得点。マルシーニョはすべて先発しているから単純に比較できないが、つかみ取るために結果に飢えている。昨季は第32節、アウェーの鹿島アントラーズ戦でミドルシュートを豪快にねじ伏せるなど、チームが苦しいところで印象的な仕事をしてみせた。
「前線の3枚で得点が取れれば、試合はスムーズに進むと思います。いまは狙っていて入らない状況なので、練習しないと」
ストライカーに必要な達観もあって「入らないときは入らないですから」と切り替えられるのも強み。「でも狙ってはいるので、常に狙い続けることが大事です」と自分に期待を寄せる。
直近のアビスパ福岡戦も80分から登場して、果敢にゴールに迫り続けた。
「先に2点決めていたところでの途中出場で、試合をクローズする役割もありました。でも、もっと取れれば楽になるし、同点や負けているときに出場することもあるので、出たときに決めないと試合が苦しくなる展開も多くなります。だから、結果を残したい。その面ではまだまだですけどね」
宮城といえば、やはり小気味のいいドリブルだ。ここに切れ味が増してくれば、ゴールへの期待も高まってくる。
「途中出場が多いので、ドリブルで前に急ぎすぎる判断もありました。相手の特徴を見ながら、ドリブル一辺倒だと止められるのでそこは考えながらやっています。ただ、ドリブル自体もまだまだ調子がいいとまではいかないけれど、もっとドリブルすれば全部抜けるぐらいの気持ちでやっていかないとダメだと思います」
U-21代表候補合宿にも参加して刺激を受けて、川崎Fでポジションを奪う必要性を痛感した。だから改めて、目に見える結果を求める。福岡戦から始まったリーグ5連戦と天皇杯は、その格好のチャンスである。