川崎フロンターレがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で敗退してから、初めてのゲームになったのが、5月7日の明治安田生命J1リーグ第12節清水エスパルス戦。負けるわけにはいかないゲームでしっかり勝ちきったが、橘田健人は自身のプレーを「まだまだ」と繰り返すのだった。

上写真=橘田健人は清水戦で「攻撃面はできたりできなかったり」と反省(写真◎J.LEAGUE)

「積極的にボールに絡むことがすべて」と鬼木監督

 清水エスパルス戦はどうしても勝たなければならなかった。失意のACL敗退を受けて日本に戻り、最初のゲーム。J1の3連覇、3冠を次の目標に据える川崎フロンターレにとっては、嫌なムードを振り払うために勝利が必要だった。

「チームとして大事な1試合でした。個人としてはやらなければいけない課題は出ましたが、チームが勝ち点3を取ることができてよかったと思います」

 橘田健人はシンプルに喜びを表した。

 ACLでは第5節の蔚山現代(韓国)戦で敗れたことが大きな痛手だったが、そこでミスから失点につながってしまった橘田のプレーがあった。中盤で短くつなぐパスが乱れて奪われ、そのままカウンターから3点目を喫した。

「自分のパスミスという形で奪われましたが、ほかの場所を見ることができていれば余裕でしたし、選択肢はあったと思います。もっとボールをもらう前からいい状況を把握しなければいけないと思います」

 そのミスがあったからこそ、恐れずにボールを呼び込まなければならない。アンカーというポジションだから、なおさらだ。あれから最初の公式戦となった清水戦を戦って、「攻撃で顔を出し続けること、もらう前に周りの状況を把握しておくこと」を改めて課題に挙げた。

 鬼木達監督もその点を指摘する。

「積極的にボールに絡むことがすべてでしょう。ミスをしようが何をしようが、チームの中心としてどれだけ助けられるか。守備においては彼はチームに欠かせない存在なので、攻撃でどれだけ舵取りするか。外から攻めるのか中から攻めるのか、という本当にちょっとした判断が大きくゲームを動かすので、そういうこだわりを持ってほしいと思います。それは本人にも説明しているし、ミーティングでも要求していることです。徐々に良くなってきていると思いますし、全体像を見ることができるようになれば、もっといい選手になりますよ」

 常に改善の日々。次のアビスパ福岡戦も、もちろんそうだ。橘田はシビアな守備を仕掛ける相手を警戒する。

「ボールを奪われないこともそうですけど、常に前を向いておくことが大事だと思います。後ろにばかり下げたらうまくいかないので、前への選択肢を持ってプレーできればと思います」

 無尽蔵のスタミナに、攻撃の怖さが加われば鬼に金棒。「もっといい選手」になった背番号8を早く見てみたい。


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