上写真=前日会見に臨んだマスカット監督と小池龍太。ともに「マリノスのサッカーを」と変わらない意欲で臨む(写真◎Y.F.M.)
「数字だけにとらわれて考えてしまうとよくない」
中2日の6連戦も、いよいよファイナル。疲労は蓄積されているはずだが、横浜F・マリノスの選手たちはコンディション調整とローテーションがうまくいって、どんどん元気になっているようだ。小池龍太もその一人。
「個人に関しては、ここまで3試合に出た中でベトナムの気候にも慣れてきてすごくポジティブで、疲れを感じるのではなくて大会を通して楽しむことで成長を感じています。それはチームも同じで、さまざまなことがありましたが、成長して勝つことでいまの順位にいると思っています」
最後の相手は、韓国の全北現代。最初の対戦となった第2節では、PKによる1失点を取り返せずに唯一の黒星を喫している。横浜FMの勝ち点12に対して、勝ち点11。わずか1ポイントの差で逆転を狙ってくる。横浜FMにとっては引き分けでも首位通過が可能な状況だとはいえ、このグループの「決勝戦」になる。前回のリベンジと首位突破という2つの目標のために、負けるわけにはいかない。
「前回の敗戦から学ばなければいけないことは、もちろん明確にあります。個人的なミスではなく、そのリアクションがどうだったか。マリノスのフットボールをするにあたって、怖さを持ったりメンタル面で強くいなければいけないところをより改善しなければいけないということです。どんな状況であっても強いメンタリティーで戦い続けること、90分通してやめないことが大事です。強くなったことを証明しなければいけないし、勝つことによって証明されるかわかりませんが、そういう姿勢を最後の一戦でみんなに伝えられればと思っています」
強くあること。小池はそれに加えて、もっと先までも見据えて戦うつもりだ。
「明日の全北戦はグループを突破するために戦うのはもちろんですが、大事にしなければならないのは勝つこと、マリノスのサッカーをすることです。自分たちも応援してくれるサポーターの皆さんも、目標はグループステージ突破ではなくてアジア制覇なので、勝たなければならない一戦です。そういうモチベーションの中で、マリノスのサッカーをして勝つことを大前提にやっていきたい」
ここで勝たなければアジア制覇もない。大きな目標に向けた大事な一歩なのだ。
ケヴィン・マスカット監督も「数字だけにとらわれて考えてしまうとよくない」と事前の細かな星勘定は良しとしない。「この数字を取るからこういう戦いをするんだ、という考え方ではなく、自分たちのサッカーをどう表現するかにかかっている」とこれまでの姿勢を貫くのみ。
とはいえ、一度やられたまま黙っているほどナイーブではないだろう。アジア制覇のために、目の前の一戦の勝利を、このチームのスタイルで成し遂げる。そんなラストマッチのときが近づいている。