FC東京のレアンドロが開幕節以来、2カ月ぶりにピッチに帰ってきた。63分に途中出場すると、登場から2分後にその力を改めて証明するような鮮やかなゴールをスコア。相性の良い国立競技場でチームの勝利に貢献した。

上写真=ファン・サポーターの拍手に応えるレアンドロ(写真◎J.LEAGUE)

■2022年4月29日 J1リーグ第10節(国立競技場/観衆43,125人)
FC東京 2-0 G大阪
得点者:(F)アダイウトン、レアンドロ

ゴールの場面は明確に覚えていないです

 登場からひと仕事を終えるまでかかった時間はわずか2分だった。レアンドロは開幕節でプレーした後、2月28日の練習で右腓腹筋を負傷。チームを離脱していた。この日、およそ2カ月ぶりの復帰戦だったが、まさにレアンドロというプレーを国立競技場のピッチで見せつけた。

 65分、ディエゴ・オリヴェイラがG大阪のボランチの齊藤未月のトラップが大きくなったところを見逃さずにボールを奪う。そのこぼれ球をいち早く拾うと、センターサークルの左からドリブルを開始した。追いすがるダワンをはねのけて力強く進むと、バイタルエリアを左から右へと横切り、ボックスやや右から右足を一閃。ゴール左に強烈なシュートを叩き込んだ。

「正直、ゴールの場面は明確に覚えていないです。たぶんディエゴ(オリヴェイラ)がボール争いに勝ってこぼれ球が自分のところに来て、ドリブルでボールを運んだと思います。ゴールが見えていたので、シュートを打ったら入った感じです」

 試合後の言葉を聞けば、ボールを持ってからフィニッシュに至るまでの流れるようなプレーを感覚的にやってのけたと分かる。ドリブルの途中で相手守備陣を引っ張るためにボックス内に走り込む安部柊斗や永井謙佑にパスをタイミングもあり、実際にG大阪守備陣はその選択も頭をよぎって後手を踏むことになった。そしてレアンドロはシュートをイメージし、やり切った。

「長く重いケガをしてしまった中で、戻って来られた試合で得点し、チームの勝利に貢献できたことはすごくうれしかった」

 前半38分に、アダイウトンの得点でチームとして4試合ぶりにネットを揺らしたが、その後はチャンスを得ながらも決め切れない時間が続いていた。その中でピッチに帰ってきたレアンドロが勝利を引き寄せるゴールを奪った。

「国立競技場との相性は良いと思います。今後、ホームゲームは毎試合、このスタジアムでやってもらえるようにお願いしたい(笑)」

 2021年1月4日に国立競技場で戦った柏レイソルとのルヴァンカップ決勝でも、レアンドロはゴールを挙げ、優勝に貢献している(同試合もレアンドロとアダイウトンが得点し、2-0で勝利)。言わば験のいいスタジアムでのリスタートで、再びネットを揺らし、勝利をつかんだ。

 FC東京はこの試合まで3試合連続でスコアレスドローを演じ、ゴール欠乏症に苦しんでいた。新しいスタイルを構築するための生みの苦しみとも言えたが、頼もしい男の復帰は、症状を緩和させるとともに、チームの進歩に大きな手助けとなるのは間違いないだろう。


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