上写真=MOMに選ばれた郷家友太(写真◎AFC)
新監督就任から11日で迎えたACL初戦
昨季のJ1で3位となり、目標だったACLの舞台に2季ぶりに戻ってきた神戸だが、今季国内リーグで調子が上がらず、苦しい戦いを強いられていた。三浦淳寛監督が契約解除となり、リュイス・プラナグマ・ラモス暫定監督を挟んで、ロティーナ監督が今月8日に就任したばかり。クラブの目標である「アジア制覇」に向けての第一歩を踏み出すにも、決して万全の状態とは言えなかった。
実際、傑志との初戦では開始直後からボールを握り、優位にゲームを進めながらも不用意なロストからカウンターを浴びる場面も見られた。そんなチームに自信を与えたのが、郷家の先制点だった。
CBの大崎が持ち上がり、ハーフウェーラインを越えたところで、左サイドに大きく展開。ボールを受けたボージャンがクロスを入れると、大迫勇也が飛び込み、相手GKがハンブル。詰めていた郷家が冷静にGKのいない場所に蹴り込んだ。
「サイドの選手なので、ゴールはもちろんですがアシストも残していく必要がありますし、まずはチームの勝利のために自分が何ができるかが一番だと思うので」
初戦で郷家はチームのために「できること」を見事にやってのけた。
その後は攻めながらも、なかなか追加点を奪えず、ちぐはぐな攻撃も散見した。80分に井上潮音のゴールでなんとか2点目を挙げたものの、アディショナルタイムにミスがらみで失点。結果的には僅差で勝ち切る形になった。
「初戦の難しさは確かにありましたが、相手の時間帯があって、なかなか自分たちのサッカーができない時間帯もありました。ただ、その中で選手同士でどうやって解決していくかを話すことができました。それを継続していくことと、今回の試合で出た課題を次の試合でしっかり解決して、より良い試合ができたらと思っています」
本調子ではないが、大事な大会初戦で勝利を拾えたことは大きい。新監督を迎え、前向きに「変わること」を誓うチームの中で、郷家も課題を認識し、次に目を向けた。
「あと3試合を、戦うたびに成長できるようにやっていけたらと思います」
22日に行われる次戦の相手は、チェンライ・ユナイテッド(タイ)。初戦より成長した姿を見せたいと郷家は話した。