上写真=鬼木達監督と谷口彰悟が公式会見へ。「先のことを考えず明日の蔚山戦にどれだけ集中できるか」と谷口(写真◎KAWASAKI FRONTALE)
「アグレッシブに戦いたい」
大会の公式会見に登場した鬼木達監督とキャプテンの谷口彰悟。クラブとして悲願のタイトル獲得に向けた最初の90分を前にして、落ち着き払って意気込みを語った。
「このチームにとってACLはすごく獲りたいタイトルです」と明確に目標を設定するのは、谷口だ。J1ではこの5年で4回優勝、ルヴァンカップも天皇杯も手に入れて、川崎Fにとっては「最後の秘宝」である。
「中2日で6連戦という厳しい日程ですが、まずは先のことを考えず明日の蔚山戦にどれだけ集中できるかを考えて取り組んでいるところです。まずは明日の試合でしっかり勝ってスタートしたいという気持ちが強いです」
昨年も同じくセントラル開催の6連戦で、初戦で大邱(韓国)に3-2で競り勝って勢いに乗り、全勝でグループステージを突破している。今回はさらにハードルが高くなった。再び韓国のチームが相手であり、しかも昨季はラウンド16でPK戦の末に大会から突き落とされた蔚山だ。
「蔚山は攻守において非常にバランスの良いチームだと思っています。Kリーグの結果を見ても失点数が少なく、しっかり得点を取って勝つなど結果として表れています。そういう相手に対して自分たちがどう崩すか、どう守るかというのはある程度整理できているので、面白い試合ができるんじゃないかなと思っています」
谷口も楽しみを隠せないハイレベルな一戦になりそうだ。
「まず勝つことを考えているので、アグレッシブに戦いたいと思っています」とも続けていて、このチームのポリシーである「アグレッシブさ」を余すことなくぶつけていく。
鬼木監督にとっても、このタイトルへの思いは強い。
「ACLという大会は川崎フロンターレにとって大きな大会であり、ACLのタイトルを獲るのがクラブの悲願です。改めてチーム一丸となって戦いたいです。初戦のこのゲームがグループステージの結果を大きく左右すると思いますし、全力で挑みたいと思います」
マレーシア特有の高温多湿が気になるが、そこは慣れるしかない。「チームの雰囲気、選手のやる気がみなぎっているので、自分としても自信を持って送り出せる状態だと思います」と頼もしく語る。
コンディションについては、谷口はそれほど不安視していない。
「日本で連戦を終えてこちらに移動してきて、もちろん最初は移動の疲れがありましたが、こちらにきてから自分たちのコンディションを上げていくというか。少しリラックスした時間を作ったり、あとはピリッとした雰囲気のなか、自分たちがACLでどう戦いたいのかをみんなで合わせていくような厳しいトレーニングもできています。コンディションは非常に良くなってきていると思います。それを明日しっかり発揮できるよう準備をしたいと思います」
鬼木監督は「対蔚山というよりもまず自分たちの戦い方をするための準備をしています」としながらも、昨年の敗戦を意識しないと言ったら嘘になる。
「やはり昨年の悔しさがあるので、自分自身もそうですし、選手、クラブとしても全員がそういう思いをぶつけられるゲームにしたいです。気持ちの表れるゲームをしたいと思います」
初戦からいきなり、フルパワーでの戦いが求められる。昨年の雪辱を、そして勝利で好スタートを。