上写真=アルベル監督は「成長し続けることが重要です」と信念を繰り返す(写真提供◎FC東京)
「若手を大胆に起用するタイプの人物です」
「楽しみにしていてください」
FC東京のアルベル監督から、ちょっとしたサプライズがありそうだ。3月26日にルヴァンカップ第3節で湘南ベルマーレを迎えるが、そのメンバー選考で「新たにメンバーに加わる選手がいる」と予告したのだ。
インターナショナルマッチウィークに当たるため、ルヴァンカップも週末開催。前回のJ1京都サンガF.C.戦から1週間空いたので、選手起用にも工夫を施す。出場のない選手にチャンスを与えること、そして次の週末のJ1横浜F・マリノス戦も見据えて、レギュラークラスの選手のプレー時間も確保するつもりだという。
アルベル監督はルヴァンカップについては経験の少ない選手にプレー時間を与えて、勝負にこだわりながら成長の場にする考えを明かしてきた。若手育成はこの人の最も得意とするところで、以前にも「成長したい若手はみんなFC東京に集まってください」と笑っていたほど。
その「育成方法」にマジックはない。
「まずはトレーニングが重要です。その中でアピールして、試合でプレーするに値することを証明しなければいけません。その後に、監督である私がその選手を起用するかどうかの判断になってきます」
その目利きが分かれ道。
「例えば、トレーニングでしっかりと自分を表現するメンタルの強さのない若手は消えていってしまいます。一方でしっかりトレーニングできていて、質の高いことを証明しているにもかかわらず、起用せずにチャンスにならないのは監督の責任です。私の場合は若手をしっかりと大胆に起用するタイプの人物です。だから、私の手元にいる若手に求めるのは、練習で大胆にアピールしてほしいということです」
正しくプレーすれば正しく引き上げる、という信念だ。ルヴァンカップのジュビロ磐田戦では昌平高在学中の荒井悠汰を先発では初めて起用、今季復帰した平川怜も投入し、FC東京U-18に所属する東廉太もデビューさせた。
そんなアルベル流のメソッドで成長する選手が次々に現れることが、FC東京の未来になる。そしてもしかしたら、日本代表の未来にも。3月24日にワールドカップ出場を決めた日本代表では、FC東京からは長友佑都がプレーしたが、もっともっと、の思いはある。
「昨日は日本代表はいい試合をしたと思います。いいプレーを目指していました。オーストラリアのようなフィジカルが上回るチームならなおさら、いいサッカーをすることが重要でした。しかし、アジアの予選と本大会では状況が変わってきます。アフリカやヨーロッパの偉大な国と戦わなければなりません。そのためにも、日本代表はいまのスタイルを継続することがいいと個人的に思います。そして本大会では、FC東京からベテランも中堅も若手もより多くの選手が呼ばれてプレーする姿を見ることができれば、とてもうれしく思います」
そのためにもやはり、日々のトレーニングがすべての始まりになる。それは若手であろうとベテランであろうと、変わりはない。