上写真=1-4で浦和に敗戦も、磐田の1ゴールを記録した鈴木雄斗(写真◎J.LEAGUE)
狙いどおりの形で点を取れました
狙い済ましたヘディングシュートだった。磐田の鈴木雄斗は、遠藤保仁からのFKをファーサイドで待ち構え、頭で力強く叩き込んだ。中央に入り込むモーションを見せてから動きを止めて、すっとマークを外した。チームが分析した浦和の情報をインプットし、マーカーの動きを見透かしていたのだろう。『セカンドライン』と表現した場所で、シュートを打てたことに本人も手応えを感じていた。
「狙いどおりの形で点を取れました」
大敗後で笑顔こそ見せなかったが、納得の一発だった。今季はすでに4点目。清水エスパルス戦(2月26日)の初得点を皮切りに、京都サンガF.C.戦(3月5日)でも2ゴールを挙げるなど、好調を維持している。得点ランクでは日本代表に招集されている上田らを抑えて、堂々の首位に立つ。3-4-2-1システムの右アウトサイドでプレーしながら積極的にゴール前に入り込んで、得点に絡んでいる。昨季はJ2でキャリアハイの8ゴール。かつて川崎フロンターレ、ガンバ大阪でプレーしたときはJ1で思うような数字を残せなかったものの、磐田では強靭なフィジカルと走力を生かして躍動している。
「ゴールを奪いやすい場所に入っていくことを意識しています。いいパスをくれる選手が多くいるのが大きいです。最後は丁寧に仕事をこなすように気をつけています。結果として、表れているので自信になります」
J1での実績には乏しい。川崎Fの1シーズン半で通算24試合、1得点。G大阪ではシーズン半分で3試合、0得点。水戸ホーリーホックからプロキャリアをスタートし、モンテディオ山形、松本山雅、昨季は磐田で目立った活躍を見せたものの、いずれも舞台はJ2だった。ついにトップカテゴリーでのブレイクが期待される28歳。2022年は勝負のシーズン、スタートは上々だ。
取材◎杉園昌之