上写真＝細谷真央は今季初ゴールで同点に。落ち着いてゴールに流し込む冷静さが光った（写真◎J.LEAGUE）
■2022年2月27日 J1リーグ第2節（三協F柏/8,918人）
柏 3-1 横浜FM
得点者：（柏）細谷真央、ドウグラス、小屋松知哉
（横）アンデルソン・ロペス
「地に足をつけて」とドウグラス
ドウグラスと細谷真央。パワーとスピードとサイズを兼ね備える強力2トップが、2022年の柏レイソルの武器になる。
横浜F・マリノスを迎えたホーム開幕戦では、細谷が相手ミスからマテウス・サヴィオのパスをもらって1-1に追いつく同点ゴールを24分に挙げれば、ドウグラスが35分にその突破から畠中慎之介の2度目の警告を誘う。そして60分には、ゴール前でつないできた相手に対して、細谷がGK高丘陽平に迫ってミスにさせて、こぼれたところをドウグラスが蹴り込んだ。「細谷がプレッシャーをかけてくれたおかげ」と感謝した移籍後初ゴールで、逆転に成功するのだ。
87分にはカウンターで細谷が抜けようとしたところで倒されて、岩田智輝も一発退場に追い込むことに。まさに獅子奮迅の2トップである。
細谷の同点ゴールは冷静さのたまもの。GK高丘の足に当たったから「ヒヤリとしました」と笑ったが、「うまく相手のミスを誘うことができて、サヴィオが相手を引きつけてフリーで持ってきてくれたので、あとは足に当たっちゃいましたけど、うまく流し込めたと思います」と、しっかり決めてみせた。
この2点とも、横浜FMのセンターバック、エドゥアルドが絡んだミスだが、左利きで、あまり切り返さないというスカウティングをもとに、「強く当たりにいくように監督から指示が出ていた」と狙い通り。「うまくはまりましたね」と細谷もハイプレスの成果を喜ぶ。ネルシーニョ監督も「いい守備からいい攻撃」を勝利の要因に挙げる中で、「2トップが守備を頑張ってくれたところに大きく依存している」と手放しで褒め称える。
ネルシーニョ監督が「5-3-2のオーガナイズでコンパクトに」と掲げる戦いで、5バックが下がりきってしまうと2トップが孤立する危険性もある。だが、ドウグラスと細谷が攻守に幅広い動きができるからこその戦い方であるとも言える。2人でボールを運び出すこともできるし、横浜FM戦では畠中が退場して岩田がセンターバックになり、中盤にスペースが生まれると見るや、生き生きとボールに絡んだマテウス・サヴィオとともにゴールに迫り続けた。
「守備のスイッチになることは監督からも要求されていますし、うまくできたと思います。今日ははまりましたけど、はまらなかったときには後ろの声を聞きながら（出ていくかどうかを）使い分けないといけない。そこが大切になってくると思います」とは細谷。守備での献身が成長のスピードを早めている。
これで開幕2連勝だ。「先制されましたけど、レイソルのサッカーが通用していたので、焦らずにゲームを進められました」と、細谷の自分たちへの信頼がどんどん増している。昨季は下位に低迷した悔しさを晴らして上位に進出するために、ドウグラスは「地に足をつけて進んでいかなければならない」と浮かれてはいない。柏が最前線に配置した強力2トップのこれからが楽しみだ。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE
