ACL出場組が23日、明治安田生命J1リーグ第9節を戦った。神奈川・日産スタジアムでは横浜F・マリノスと川崎フロンターレが対戦。先制したのは3連覇を狙う王者・川崎Fだったが、後半に横浜FMが4ゴールを挙げて逆転勝利を飾った。

上写真=2ゴールを挙げた仲川輝人を2ゴール1アシストのエウベルが祝福する!(写真◎小山真司)

■2022年2月23日 J1リーグ第9節(日産スタ/観衆20,433人)
横浜FM 4-2 川崎F
得点者:(川)家長昭博、知念慶
    (横)エウベル2、仲川輝人2

・横浜FMメンバー:GK高丘陽平、DF松原健(84分:小池裕太)、岩田智輝、エドゥアルド、小池龍太、MF喜田拓也、渡辺皓太(51分:畠中槙之輔)、マルコス・ジュニオール、エウベル(70分:水沼宏太)、レオ・セアラ(70分:アンデルソン・ロペス)、仲川輝人(84分:樺山諒乃介)

・川崎Fメンバー:GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、山村和也、谷口彰悟、登里享平(79分:佐々木旭)、MF橘田健人、脇坂泰斗(62分:遠野大弥)、チャナティップ(62分:大島僚太)、FW家長昭博(81分:小林悠)、レアンドロ・ダミアン、宮城天(62分:知念慶)

「スペースを作り、そこに選手が入っていった」後半

 昨季の優勝チームと2位チームの今季最初の対戦は、攻撃姿勢をぶつけ合う展開になった。先制したのは川崎Fだ。前半32分に、アンカー橘田の飛び出しから横浜FM守備網を破り、クロスを家長が叩きこむ。前半はそのまま川崎Fが押し切る形で終わるが、後半に様相が一変する。横浜FMがバルブ全開で自慢の攻撃力を発揮したのだ。

 まずは57分、左サイドからマルコス・ジュニオールが送ったボールに、右サイドからは中央に入り込んでいたエウベルが打点の高いヘッドをさく裂させる。登里の背後から飛び込んでの一撃で、川崎Fの守備陣は、なす術がなかった。

 その1分後。右サイドに送られたボールをエウベルが相手の左サイドバックの登里を制して収め、そのまま持ち込んで鋭いクロスを供給。ボックス内に詰めていた左ウイングの仲川がボールをとらえて横浜FMが逆転に成功した。ここでも川崎Fの守備陣の人数はそろっていたが、スピードに乗ったシンプルなコンビネーションに後手を踏むことになった。

 1ゴール1アシストでチームを逆転に導いたエウベルは64分にも大きな仕事をやってのけた。右サイドを攻略したレオ・セアラが供給したクロスをボックス手前で受けたM・ジュニオールが背後の落とす。そこにナンバー7が走り込んだ。エウベルが右足を強振。シュートは橘田に当たって方向を変え、そのままゴールへと吸い込まれた。

 突き放された川崎Fは、62分にメンバー交代していた選手たちがピッチに『動き』を生み、反撃に出た。73分には右サイド深く進入した山根のクロスに知念が飛び込み、豪快なヘッドで1点差に詰め寄った。

 だが、横浜FMの勢いは止まらなかった。スペースをどんどん突いていく。78分には相手のクリアを拾った味方のパスをボックスの左、ゴールの斜め45度を受けた仲川が、右足を振る。カーブをかけた「練習でも決めたことがない」と話す絶妙なシュートで、この日2点目を挙げた。

 互いにリーグ屈指と言われる攻撃力を持つチーム同士の今季初戦は、4-2で決着した。勝ったのは、昨季2位の横浜FM。3連覇を狙う王者・川崎F相手から4ゴールを奪ってみせた。前半はたびたび内側にポジションを取った松原らサイドバックも後半は幅を取るようにプレー。相手守備網を網目を広げてスペースを創出し、選手がスピードに乗ってそのスペースを突いていった。

「いい結果になり、うれしいです。とくに後半はアグレッシブさをより出して、しっかり選手たちが点を取りにいく、勝ちにいく姿勢が見えたと思います。スペースを作り出し、そこに誰が入っていくのか、そういう部分もうまくできていた。全体的に、全員がいいパフォーマンスをして最高の結果につなげてくれました」

 横浜FMのケヴィン・マスカット監督は、会心の勝利をこう振り返った。開幕戦もC大阪とドローに終わったものの、内容では相手を圧倒。この日は、その攻撃的でアグレッシブな内容を、しっかり結果につなげてみせた。

 対する川崎Fの鬼木達監督は「スタートのところから選手たちは積極的に攻撃をしてくれたと思っています。その中で先制点を取れたのでもう1点追加点というところですが、反省としては連続失点をしてしまったところ。失点は当然、サッカーではありますが、ただそこで、連続でしないということが大事。もちろんこれはマネジメントのところ、気持ちのところもありますが、勢いを持っていかれるケースがあるので、そこは反省して次のゲームにつなげたい」とコメント。さらに「まだまだ発展途上。昨年、一昨年の王者かもしれないですけど、また今年はしっかりと積み上げていかないといけないことが多くある。色んな力を見させられた試合になった」とも語り、中2日で迎える26日の鹿島戦までに修正したいと語った。


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