上写真＝ディエゴ・オリヴェイラは新生FC東京でキャプテンマークを巻き、最前線でゴールを狙い続けた（写真◎小山真司）
■2022年2月18日 J1リーグ第1節（等々力/17,544人）
川崎フロンターレ 1-0 FC東京
得点者：（川）レアンドロ・ダミアン
（F）なし
「とてもいい試合ができた」
今季からFC東京を率いるアルベル監督は、昨季までとは「180度違うサッカー」を始めて「まだ1カ月しか経っていない」から、「時間がかかる」ことを強調してきた。
それが、どうだろう。王者・川崎フロンターレを攻め立てて、敵将の鬼木達監督に「割り切るところは割り切って」と言わしめたのだ。
ディエゴ・オリヴェイラにも手応えがある。
「監督の求めているサッカーを少しでも表現できて、みんなで理解できていることは明白です。もちろん、すべてを実現するには少し時間がかかりますから、練習を大事にして結果を出せるようにしたい」
栄えあるオープニングマッチで、キャプテンマークを巻いてFC東京の先頭に立って登場したディエゴ・オリヴェイラは、攻撃的な新スタイルを楽しんでいる。
「フロンターレさんという強敵を相手に、とてもいい試合ができたと思います」と自信がこぼれる。「相手を上回ることができた時間もあるし、シュートに持っていくシーンはたくさんありました」。だからこそ、「得点できずに負けて悔しい」に決まっている。
アルベル監督も「最初の15分はバタバタしましたが、そこから最後までこちらのリズムだった」と胸を張った。「相手はゴールになったセットプレーぐらいしかチャンスがありませんでした」とも。81分、遠野大弥の蹴ったCKをレアンドロ・ダミアンにヘッドで流し込まれた。
レアンドロにも松木玖生にもディエゴ・オリヴェイラにも紺野和也にも青木拓矢にも、決めておくべきチャンスがあった。決めていれば、という典型的な試合だった。それでも、驚きのお披露目となった。その分、期待は青天井に高まる。
「もちろん、いまのスタイルや戦術でチャンスを作りやすくなりました。でも、やはり決めなければいけない。これを続けて、自分たちがさらに良くなるように、チームとしても自分としても、クオリティーを上げて点が取れるようにしなければいけません。しっかりゴールを決めて、勝ち切りたい」
わずか1カ月でこの進化。早くも「あとは決めるだけ」のステージまで進んできた。
取材◎平澤大輔 写真◎小山真司
