2月18日の「金J」でFC東京を迎える「多摩川クラシコ」が、川崎フロンターレにとって新シーズンのスタートになる。チャナティップの「ホームデビュー」となる一戦だ。多くのファン・サポーターに見せたいのは「勝利への貪欲さ」である。

上写真=チャナティップは初めて青のユニフォームを着て、富士フイルムスーパーカップ2022で「フロンターレデビュー」(写真◎小山真司)

「体が小さいので小回りが利くと思う」

「うまくやるのも自分の仕事です。期待よりもうまくやっていかないと」

 チャナティップは、2月12日の富士フイルムスーパーカップ2022で川崎フロンターレの選手として「デビュー」した。しかし、浦和レッズに0-2で敗れた。チャナティップは前半は左ウイングで、後半は左インサイドハーフでプレーして、77分にベンチに下がった。試合直後には、前半にうまくいかず、後半には持ち直したと振り返っている。

 ウイングでプレーする機会は、過去にはほとんどなかったという。

「いままでやったポジションはウイングではなかったので、前半はそれでうまくいかなかったかもしれません。でも、ポジションが違ったからという言い訳は通用しません。信頼してもらってチャンスをくれたので、期待に応えていかなければなりません。日々の練習から与えられた役割をこなさないといけない」

 鬼木達監督は今後もウイングでも起用する考えを明かしている。「チャナティップを左ウイングでも生かせるサッカーができれば問題ない」と、チャナティップ流のウイング像をつくっていけばいい、という構えだ。チャナティップも自らの特徴をこのチームになじませる努力を怠らない。

「自分は縦に突破していく選手ではありませんが、右でも左でもプレーできますし、特徴としては狭いエリアでワンタッチ、ツータッチでさばくのが得意です。体が小さいので小回りが利くと思うし、周りを見てさばいていく速さやタイミングを利用して、攻撃につなげていきたい」

 その特徴をウイングで生かすか、インサイドハーフで生かすか、というだけの話だ。鬼木監督は加えて「ほかの選手にはない視野の広さがある」と評価していて、実際に59分には左からのサイドチェンジで山根視来へ送ってチャンスを作っている。

 いよいよ開幕が迫ってきた。3連覇の目標に向けて、まずは大切な一歩。FC東京の強力な攻撃スタッフに注意を払っているという。

「チャンピオンになりたい、という勝利の貪欲さを出さなければいけないと思っています」

 それをまずは、「ホームデビュー」となる自身初の多摩川クラシコで表現するつもりだ。


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