上写真=恒例の沖縄・読谷村キャンプなどで準備を進めた新チーム。どんな戦いを見せるのか(写真◎サガン鳥栖)
「サイドからの攻撃を重要視」
激動のオフとなった。昨季J1でチーム最多の9得点を挙げたFW山下敬大、同2位の8得点のMF酒井宣福など、主力が次々と移籍。さらに、一度は契約を更新してファン・サポーターを喜ばせたDFエドゥアルドも、沖縄・読谷村キャンプ合流後の2月に急転直下の移籍となった。
昨季途中に海外移籍したFW林大地も含め、シーズン2得点以上の選手は1人も残っていない。34人中19人が新戦力と様変わりした陣容で、こちらも新しく就任した川井健太監督が、どのようにチームを構築していくのかが最大の注目ポイントだ。
7年ぶりに復帰したMF藤田直之は、新監督が目指すサッカーを「しっかりボールを握り、アグレッシブに自分たちからアクションを起こしていく」と説明。ボール支配率を高め、主導権を握ることで勝機を引き寄せたい考えがうかがえる。一方で川井監督は読谷村キャンプ中に「サイドからの攻撃を非常に重要視している」と語っており、これらの成熟度をどこまで高められるか。
昨季の主力は去ったものの、新戦力は期待の顔ぶれがそろった。FW垣田裕暉は昨季、J2降格となった徳島でリーグ戦8得点を挙げ、能力の高さを示している。垣田と同じく期限付き移籍で加わったMF西川潤も、C大阪での過去2年間は思うような結果を残せなかったが、これまで年代別代表で見せてきたプレーを再現できれば、攻撃の中心となれるだろう。
昨年末のインカレ(全日本大学選手権)で駒澤大の優勝に貢献し、MVPも獲得したFW荒木駿太をはじめとする6人の大卒選手も注目だ。ここに前述の藤田、MF小野裕二、MF福田晃斗と、過去に鳥栖でプレーした経験を持つ選手がチームの『重し』として加わっている。
昨季も開幕前の前評判は決して高くなかったが、J1タイ記録となる開幕6試合無失点でスタートダッシュに成功した。今季も見る者を驚かせる内容と結果を残すべく、新しいスタートを切る。