2月19日のJ1リーグ開幕戦、鹿島アントラーズはアウェーでガンバ大阪と対戦する。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、各クラブの新戦力にインタビューを実施。鹿島からは今季加入した樋口雄太が登場し、移籍を決めた理由、そして自身が描く未来について語る。

義希さんの経験を聞き、自分の人生を考えた

画像: 昨季、15節の鹿島戦でチームを勝利に導く逆転ゴールを決めたことは大きな自信になったと樋口は語る(写真◎J.LEAGUE)

昨季、15節の鹿島戦でチームを勝利に導く逆転ゴールを決めたことは大きな自信になったと樋口は語る(写真◎J.LEAGUE)

――高橋義希さん(鳥栖/サガンリレーションズ・オフィサー)には今回の移籍についてお話をしたのでしょうか。

樋口 一番、話したかもしれないですね。義希さん自身も1回移籍を経験していて(仙台で2シーズン過ごす)、移籍がどういう感じなのかも聞かせてもらいました。義希さんの経験を自分と照らし合わせながら、これからどういう人生を歩んでいくのかを考えました。自分は「こういうふうに思っている」と義希さんに話しましたし、「こういう感じじゃない」と意見をもらって。短いサッカー人生だと改めて考えたときに、やっぱり移籍という決断に至りました。

――高橋義希さんは昨季限りで18年の現役生活にピリオドを打ちました。クラブは変わりますが、樋口選手が引き継ぎたいものもあるのではないですか。

樋口 義希さんに関しては自分がプロ1年目から3年間、一緒にプレーさせてもらったんですけど、まずは人として、というところを学ばさせてもらいました。本当にクラブのことを愛していて、そういう姿勢を見てきたので、「こういう選手になりたい」と思いました。義希さんのような選手がいるチームが強いと感じます。サッカーではどんなときでも一切、手を抜かなかった。それはどのチームでも大事なことです。ただサッカーだけをやっていればいいのではなく、チームに貢献するにはいろんな形があると気づかされました。さまざまな角度からチームを良くするためにアプローチしていた。自分が成長するなかでサポートしてもらった方ですし、すごく感謝しています。

――背番号は高橋さんと同じ14番になりました。そういう存在に鹿島で樋口選手がなっていくという思いも?

樋口 義希さんを超えるような存在になるのは難しいと思いますけど、自分なりに考えながら、これからやっていきたいと思っています。

――元鹿島の小泉慶選手(現鳥栖)からも色々と情報をもらっていたそうですね。どんなアドバイスを?

樋口 鹿島からオファーをもらったときに、伝統のあるクラブだというのは分かっていましたが、今、どんなチームなのかを知りたかったので、慶くんとご飯を食べに行ったときに「鹿島はどんな感じですか」と聞ききました。そうしたら「行けばわかるよ」と言われて(笑)。言っていたのは、たとえ試合に出られなくても、このチームでプレーしたいと思わせてくれるチームだということでした。その言葉を聞いてすごく魅力を感じましたし、「鹿島以外だったら鳥栖でプレーしようよと言うかもしれないけど、鹿島は行って来いと言えるチーム」とも言ってくれました。

――小泉選手が言っていた「行けばわかる」という言葉どおり、鹿島で分かったことはありますか。

樋口 初日の練習からすごく雰囲気が良くて、質の高い練習ができました。一人ひとりの取り組み方もそうですけど、締めるところはしっかり締めて、和やかなときもしっかりあってメリハリがすごく効いているチームだと感じます。成長できるチームだなと分かりました。

――キャンプを終え、プレシーズンマッチも終えて、いよいよ新シーズンの開幕戦を迎えます。ガンバ大阪とのアウェーゲームです(19日)。

樋口 タイトルを獲るためには、やっぱりスタートダッシュが大事です。どの試合も落とせないですが、勝ってスタートするかしないかで、その後が変わってくると思っています。勝つことだけを考えて臨みたい。そこで自分が試合に出て貢献できれば。ガンバ大阪の印象についてはまだ分かりませんが、鳥栖時代に現在の監督、片野坂(知宏)さんが率いる大分トリニータと試合をしたときは、すごく手ごわい相手だなと感じていました。嫌な相手でしたね。自分たちの良さを消してくるイメージもあります。勝つのが難しい相手で、実際に試合が始まらないと分からないことも多いですが、勢いを持って前半から入っていいきたい。そこが大事になると感じています。

――鹿島はまだ監督が入国できないなかで開幕を迎えます(新規外国人の入国制限によりレネ・ヴァイラー監督は来日できず)。不安に思っているファン・サポーターの方もいると思いますが、その点についてはどうでしょうか。

樋口 (岩政)大樹さん(コーチ)中心にトレーニングに落とし込んでくれています。一人ひとりしっかり取り組んでいますし、僕自身は心配ないと思っています。チームは、本当に一人ひとりの能力が高いですし、それをチームとして生かせれば、どの相手にも勝てると思っています。その自信だけは失わずに、試合に臨みたいです。

――最後に、今季の目標を聞かせてください。

樋口 移籍してきて、個人としては難しいシーズンになるとは思いますけど、本当に1年間通してしっかり試合に絡み続けたい。そして昨年は6ゴール6アシストでしたが、このチームでそれを上回る結果を残してチームに貢献したいと思っています。

取材・構成◎佐藤 景 写真◎KASHIMA ANTLERS、J.LEAGUE

Profile◎ひぐち・ゆうた/1996年10月30日生まれ、佐賀県出身。サガン鳥栖のアカデミー育ちで鹿屋体育大を経て2019年に鳥栖に加入。1年目は出場機会が限られたが2年目に一気に出場機会を増やし、主力の一人に成長。昨シーズンは10番を背負って37試合に出場し、6得点6アシストを記録した。今オフに鹿島アントラーズに完全移籍。思いのこもった14番を背負ってプレーする。MF。168㎝、66㎏

『試合情報:2022明治安田生命J1リーグ開幕戦』
◆2022年2月19日(土)14時キックオフ(パナソニックスタジアム 吹田)
・ガンバ大阪 vs 鹿島アントラーズ
 DAZNにて独占ライブ配信


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