待ちに待った2022年のJリーグがやってくる! 2月18日の「金J」で王者・川崎フロンターレが開幕戦に迎えるのは、ライバルのFC東京。いきなりの「多摩川クラシコ」にボルテージも上がる。サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」では、各クラブの注目選手にインタビューを実施。3連覇を狙う川崎Fからはキャプテンの谷口彰悟が登場だ。

上写真=谷口彰悟が見据えるのはアジア、そして世界。チームとしても個人としても、重要な2022年が始まる(写真◎川崎フロンターレ)

基準はまず「アジア」に置く

――いよいよ2022年のシーズンが始まります。といっても、谷口選手はすでに日本代表のワールドカップ最終予選に出場して、始まっていますね。いつもと違う形のシーズンスタートでした。

谷口彰悟 まずはしっかり休もうと思っていたので、その時間を設けました。チームの始動より先に代表合宿が始まったので、例年よりも仕上げのピッチを上げるために年末、年明けから本格的に動き始めました。シーズン最初に日の丸を付けて戦うのはなかなかないことで不安もありましたが、とにかく準備しないと、という緊張感を高めていました。

――吉田麻也、冨安健洋とセンターバックの両選手が負傷で欠場という事情もありました。

谷口 なおさらしっかりしないといけなかったですし、チャンスが回ってくるのであれば、これを逃すと次はないという覚悟を決めて、迎えることができました。空いた枠を狙う思いはあったので、何が何でもと思っていました。

 最終予選という独特の緊張感のある中でピッチに立てたこと、2試合とも失点をゼロで抑えて勝利を収めたこと(2-0中国、2-0サウジアラビア)はすごく良かったと思いますし、手応えというかきちんとできたことを感じてはいます。ただ、もう過ぎたことですし、振り返ってみても自分のプレー自体はそんなに大したことはしていないので、もっともっとやれたはずだ、やらなければいけなかったと思う部分は多かったです。

――フロンターレでは今季、鬼木達監督があらゆる意味における「スピード」を求めています。

谷口 日本の基準はまずフロンターレだよ、ということは示していきたいと思います。ずっと言ってきたことですけれど、日本を牽引するチームになろうと目指してきましたし、結果としても示し始めているという自覚はあります。もっともっと、日本の他のチームがフロンターレのように戦いたいと思ってもらえるチームになりたいですし、それがアジアや世界の基準へと近づいていくきっかけになるので、常に追い求めていきます。日本のトップになったからいいのではなく、上には上がいるという基準を高く持っていきたいと思っています。

――今季はまずJ1で3連覇を果たすことを公言しています。2019年に一度挑戦しながらかないませんでしたが、あのときの包囲網はすさまじかったですよね。

谷口 ゴール前を固めてくるチームが多かった印象はあります。ただ、あの年は守られたというよりは自分たちが崩しきれなかったという感覚が個人的には強くて、攻撃にかける人数やコンビネーションの質、そのパターンも相手の想定の中でやってしまったというのは、いま振り返ると感じるところです。

 上回りきれなかった自分たちの準備不足というか、想定が甘かった。積み上げたものに自信はあったけれど、始まると簡単ではありませんでした。自分たちの準備と覚悟が足りなかったことを痛感した年でした。

――今季はもう一つの目標として、AFCチャンピオンズリーグの優勝があります。クラブの悲願です。昨年は残念ながらラウンド16で敗れましたが、アジアのライバルを前に「相手を見る」スタイルが進化できれば楽しみです。

谷口 カップ戦は特に、とにかく勝てば次に進めるわけで、積み上げたものは関係ないというか勝つことがすべてで、次につなげる試合をする必要がない。そんな割り切りをしてくるチームに対して、自分たちのサッカーしかできません、では寂しいですよね。

 もちろん、まずは自分たちのスタイルをどれだけ出せるかは大きなポイントで、主導権を握って勝てばなんの問題もありません。でもやっぱり、そんなに簡単なものではありません。昨年はACLでもルヴァンカップでも天皇杯でも、そこを上回ってもっと強くなっていかなければいけないと思い知りました。スタイルを確立しても勝てないときに何ができるのか、何をすれば勝てるかというオプションがあるか、厳しいゲームでも一人ひとりの戦闘能力で勝ちに持っていけるか。そういう部分は、特にアジアを戦う上ではレベルアップしないといけないと思っています。

 このチームの基準はまず常にアジアであって、その先に世界があります。そこに置くことがとにかく大事です。それがこのチームに足りなかったことなんです。

FC東京は「そういうこともできる」

――そんな目標への第一歩は、開幕戦となる「金J」のFC東京戦です。こちらもいきなりの「多摩川クラシコ」。盛り上がりますね。


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