上写真=柏の新たな得点源として期待されるドウグラス(写真◎小山真司)
新たな前線の柱として期待大
2020シーズンのリーグのMVPでありと得点王でもあったマイケル・オルンガが去った昨季の柏は、前線の軸がなかなか定まらず、その選定に苦労した印象もある。しかし2022シーズンは、この問題を解決できそうだ。Jリーグで実績を残してきたFWが新たに加わったからだ。神戸から加入したドウグラスのことである。
ちばぎんカップの開始10分だった。アグレッシブに攻めてきた千葉に対して、柏は鮮やかなカウンターを見舞う。相手のシャドーの見木友哉のパスが味方に届かないと見るや戸嶋敏郎がカットに成功。そこから椎橋慧也、細谷真大とボールをつなぎ、ドウグラスが相手3バックの間を走ってスルーパスを引き出す。そして無駄のない動きでゴール左へと蹴り込んだ。
「細谷選手がボールを持ったときに、自分がダイアゴナルに走り込みました。そこへ相手の裏へパスを出してくれた。(トラップして)ボールを左にずらしてキーパーの脇を抜くことができました」
シュートまでの動きは実にスムーズで迷いがなく、正確にゴールを射抜いている。一連のプレーはシーズン開幕に向けて、大きな期待を抱かせるものだった。
「細谷選手とはまだ一緒にプレーしてから時間は経っていません。でもキャンプで練習を重ねました。ここからさらに連係をあげていきたいし、他のFWたちともいい関係をつくっていきたい。監督が誰を起用しても、(試合で)高いレベルを出していけるようにしていきたいと思います」
主にシャドーでプレーした広島時代の2015年にはJ1で21ゴールを叩き出している。独力で局面を打開すると同時に、周囲と良好な関係を築いてゴールを生みだす点もドウグラスの強みだろう。
2トップを組んだ細谷、そして2トップの後方からたびたび右サイドに進出してサポートを受けたマテウス・サヴィオとのコンビネーションがさらに深まっていけば、ドウグラスが2ケタ得点を挙げることは十分に可能だろう。この日のプレーを見る限り、『量産』への準備は着々と進んでいる。