公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は31日、理事会を開き、北海道コンサドーレ札幌の前社長で、現会長の野々村芳和氏の次期チェアマン就任を承認した。村井満チェアマンは今年3月に任期を満了し、退任となる。役員候補者選考委員会で新チェアマンの選定が進められ、野々村氏に候補が絞られていた。

上写真=6代目のJリーグチェアマンに就任することが決まった野々村芳和氏(写真◎J.LEAGUE)

元Jリーガーが初めてトップに就任

 6代目のチェアマンに野々村芳和氏が就任することになった。任期は今春から1期2年。史上初めて元Jリーガーのチェアマンが誕生する。また、野々村氏は1972年生まれで、現在49歳。過去5人のチェアマンのなかで最年少の就任になる。

 野々村氏は清水東から慶応大に進み、卒業後にジェフユナイテッド市原に加入。2000年からは札幌でプレーし、01年に引退した。その後、解説者などを務めるかたわら、サッカースクールを全国各地で展開した。09年に北海道のサッカー活性化を目指して小樽FCでも活動した。13年には札幌の代表取締役社長に就任。さまざまな改革を進め、札幌のJ1定着に尽力した。15年にはJリーグ理事に就任。今年1月に札幌の代表取締役会長に立場を変えていた。

 今回の選定にいたっては、Jリーグからの独立した機関として「役員候補者選考委員会」を設立。候補者の選考と選定を進め、400名の候補者の中から、まず170名のロングリストをつくり、そこからさらにヒアリングや調査を綿密に行なって十数名に絞り込みショートリストを作成した。最終的に委員会が野々村氏を候補とした理由については「Jリーグにチェアマンに求められるものを概ね擁している。Jリーグの価値の最大化できると委員会は判断しました。選手としての立場を知り、経営者、理事、実行委員会としてJリーグに携わり、勇気と決断力を合わせ持っている。新たなビジョンを持って、フットボールと事業の両面で変革できる人材」と説明した。

 次期チェアマンに選出された野々村氏は「大変光栄と思っていますが、まだ自分でも可能性でしかないと思っています。ここからいろんなことを決めて動かしていかなければ、いけない。責任はすごく感じています。その中で大事にしたいことは自分なりに考えてみると、40年以上サッカーとともに生きてきました。サッカー少年だった気持ち、選手になったときの気持ち、引退後にメディアの仕事をしましたし、クラブの社長として感じた気持ち、色んな難しい決断をしなければいけない中で、それぞれの立場で感じた気持ちを大切にしながら、より良いサッカー界にしていけるように頑張っていきたい」と就任への抱負を話した。また、課題については30年前のJリーグスタート時から変わらない部分として「より多くの人たちにJリーグを届けていきたい」と話し、「ビジネスとフットボールはすごく村井チェアマンがやられた8年ですごく進歩しました。ただもう1回、フットボールのところに機軸を置きたいところがあります。サッカーはすごくシンプル、強いことが上にいって、弱いところが下に行くという当たり前のことを各クラブが再認識したうえでより良いサッカーを届けたい」と語った。

 3月15日で任期満了となる村井満チェアマンも、野々村氏の「洞察力や見識」について太鼓判を押し「野々村さんらしい大改革を歓迎します」と新チェアマンの手腕に期待を寄せた。

 なお今回の役員改選で、理事には窪田慎二氏(現Jリーグ業務執行理事)、高田春奈氏(V・ファーレン長崎代表取締役)、並木裕太氏(株式会社フィールドマネージメント代表取締役)、馬場浩史氏(株式会社NTTドコモスポーツ&ライブビジネス推進室長)が選任・承認された。野々村新チェアマンは新理事とともに『チーム』としてJリーグの発展に力を尽くす。

 コロナ禍が続くなかで、開幕を迎える2022年のJリーグ。史上最も若いチェアマンとともに、30年目のシーズンを進むことになる。また、野々村氏は1972年生まれで、現在49歳。過去5人のチェアマンのなかで最年少の就任になる。


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