川崎フロンターレの新加入選手の中で、堂々の「帰還」を果たした男がいる。早坂勇希だ。アカデミー育ちで、U-18からすぐにトップ昇格はならなかったものの、桐蔭横浜大の4年でみっちり鍛えて、復帰のきっぷをしっかりとつかんでみせたのだ。

上写真=早坂勇希は「ただいま」とファン・サポーターにあいさつした(写真提供◎川崎フロンターレ)

「チームの顔になれるように」

「フロンターレ愛があふれてしまって」

 堂々とフロターレ好きを表現する早坂勇希である。小学校5年生からのアカデミー育ちで、U-18のあとに桐蔭横浜大を経由して、ついに帰ってきた。すでに昨年4月に特別指定選手として登録されていたが、晴れて「プロ」としてファン・サポーターの前に立った。

「川崎Fに戻ることしか考えていませんでした」

 本気の4年間だった。それが成就したから、新体制発表記者会見の壇上で司会に自分のプロフィールを読み上げられているのを聞いて「興奮して(自己紹介の)コメントが長くなってしまった」と笑った。4年分の強い思いがこぼれたワンシーンだった。

 もちろん、帰ってくることが最終目標ではない。GKのポジションは一つ。絶対的な守護神であるチョン・ソンリョン、アカデミーの先輩でもある安藤駿介、昨季5試合に出場したほかそれ以外でベンチで控えた丹野研太と層は厚い。

「壁が高く厚いときに、一番気持ちが上がると思っています」

 好きだから帰ってきた、だけで終わらせるつもりはない。

 背番号は22に決まった。昨季、橘田健人が背負った番号だ。ルーキーイヤーからポジションを奪って急成長した、大学の先輩である。

「大学の先輩の背番号を背負うことになって、健人くんがしっかりと1年目で活躍できたので、それが一つの自信にもなります」

 22をきっかけに、大きなチャレンジに挑む2022シーズン。将来はこのチームを背負う覚悟だ。

「川崎のキーパーと言えば早坂と言われるような、ビッグな選手になりたいと思います。このクラブが好きで帰ってきたので、チームの顔になれるように頑張りたい」


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