上写真=浦和は今季の天皇杯は無失点で勝ち上がってきた。西川周作は決勝でも完封するつもりだ(写真◎Getty Images)
「気持ちの強いほうが勝つ」
2018年12月9日、西川周作は浦和レッズの守護神として天皇杯決勝に臨み、ベガルタ仙台を完封して1-0で勝利、見事にカップを掲げている。そして3年後、再びそのチャンスが巡ってきた。今度は大分トリニータと12月19日に決勝を戦う。
3年前はホームの埼玉スタジアムでの戴冠だった。今回の会場は新しい国立競技場。西川自身も初めて立つ舞台だ。
「テレビで見ていた場所だったので、興奮しているのと、ようやくこのピッチに立てるという思いとでうれしく感じています。みんなも同じ気持ちですし、ここまでやるだけやっていい準備ができたので、明日は思い切りやるだけです」
西川にとっては、古巣との戦いでもある。その大分はJ2降格も決まっていて、難しい状況にある。
「お互いに似ているところもあって、片野坂(知宏)監督がこれを最後に退任されること、僕たちは阿部(勇樹)選手や槙野(智章)選手、宇賀神(友弥)選手がチームを去ることを考えると、どちらもチームの思いは一丸となっていると思います。大分もカタさんにカップを掲げてもらいたい、自分たちも阿部選手に掲げてもらいたいという思いが強い同士の試合なので、より気持ちの強いほうが勝つんじゃないかと思っています。球際や切り替えのポイントが勝負を分けると思っています」
カップファイナルがいつもそうであるように、今回の決勝もメンタル勝負だと踏んでいる。
この試合を最後に引退する阿部からは、「楽しもう」という言葉が仲間に授けられたという。
「明日はシンプルで、勝つだけだと思っています。余計なことを考えずに、思い切り試合を楽しみたいし、101回目という天皇杯は素晴らしい大会で、アジアにつながる大会なので、来季につなげるためにも明日は勝たなければいけない。そのプレッシャーをいい力に変えながらやっていきたいと思います」
多くの大舞台を経験してきた西川だから、プレッシャーをパワーに変えるのはお手のもの。今回の天皇杯はカターレ富山、SC相模原、京都サンガF.C.、ガンバ大阪、セレッソ大阪と戦って、無失点。そのすべてで西川がゴールマウスに立ちはだかってきた。最後もゴールを許さずに気持ちよく勝利を収めて、阿部の頭上にカップを輝かせるるつもりだ。