上写真=キム・ジンヒョンはサポーターと喜びを分かち合うために、名古屋を連破する(写真◎CEREZO OSAKA)
「1試合目で結果を出せば…」
気持ちは自然とたかぶってくる。なにしろ、シーズンのクライマックスに向けて、天皇杯準々決勝とルヴァンカップ決勝を連続で戦えるのだ。それも、同じ名古屋グランパスを相手に。
中2日でビッグゲームを続けて戦うスケジュール。セレッソ大阪の守護神、キム・ジンヒョンは「1試合目で結果を出せば、その次も自分たちの流れにできると思います」と、まずは10月27日の天皇杯に集中している。
直近のゲームでは、リーグで優勝を争う横浜F・マリノスから勝利を奪い取った。圧倒的に仕掛けてくるトリコロール自慢の攻撃を、最後の最後で食い止めていった。ただ、自分一人で守ったわけではない。
「私が感じていることは、皆さんが見ていることと同じではないかと思います。攻守の切り替えが早くなって、戦術的にコンパクトにして、守備も攻撃もどちらも速く行けるようになったところが、小菊監督になってから一番変わったところだと思います。みんなの意識が高くなっています」
そうして、ルヴァンカップでは浦和レッズを下してファイナルへと勝ち上がった。今度は名古屋を連破する。
「まずは天皇杯が先で、その後のことはその後に考えたいタイプなんです」と前置きしながら、4年前のことを思い出す。2017年11月4日、川崎フロンターレを2-0で下してルヴァンカップを勝ち取ったあの日のことを。そして2018年1月1日、延長戦の末、横浜FMに2-1で逆転勝利を収めて天皇杯を掲げたときのことを。見事なカップ2冠だった。
今年もカップダブルのチャンスが残っている。
「リーグの順位がこうなっている(12位)ときに、カップ戦で優勝できれば来年のことがまた楽しみになると思うんです。あのとき優勝して、サポーターの皆さんの喜ぶ顔やうれしくて泣いている顔を見ました。もう1回見たいから、サポーターのみなさんに喜びを味わってもらいたいです」
そうやって喜ぶキム・ジンヒョンの顔を、サポーターは見たいのだ。