Jリーグは10月25日、JリーグYBCルヴァンカップのニューヒーロー賞に浦和レッズの鈴木彩艶が選ばれたことを発表した。21歳以下の選手が対象で、報道関係者の投票をもとに選考委員会が決定した。12試合中9試合にフル出場して準決勝に導いた活躍が評価された。

上写真=浦和のGK鈴木彩艶がニューヒーロー賞に選ばれ、賞金50万円、クリスタルオーナメント、ヤマザキビスケット社製品1年分が贈られる(写真提供◎浦和レッズ/Jリーグ)

次の個人賞は得点王!?

「チームとしては望む結果ではなかったけれど、この大会でデビューできて試合を通して評価していただいてうれしく思います。今後、この賞に恥じないプレーをしたい」

 初々しいが堂々とした喜びの言葉が頼もしい。2021年のルヴァンカップニューヒーロー賞は、浦和レッズのGK鈴木彩艶が受賞した。

 21歳以下の選手が対象のこの賞は、報道関係者の投票をもとに村井満チェアマンらの選考委員会が協議して決定。浦和が戦った12試合のうち9試合にフル出場、「惜しくも決勝進出とはならなかったが、ベスト4という成績を後押しした、ニューヒーロー賞にふさわしい活躍と将来性の高さに多くの評価が集まり、文句なしの選出となった」と発表された。

 19歳での受賞には鈴木本人も「よく年齢については言われますが、実際にピッチに立てば年齢は関係ないと思いますし、ピッチで表現することを意識してきました」。その貫録の言葉はピッチでのふるまいと同じだ。「開幕戦から通して、ゲームの中での落ち着き、攻撃に参加する落ち着きが評価されたのではないかと思います」が自己分析。次の個人賞はと聞かれて「得点王もいけます!」とにこやかにユーモアたっぷりで宣言したのも、その余裕の現れではないだろうか。

 ゴールキーパーの受賞は、2001年の曽ヶ端準(鹿島アントラーズ)以来、11シーズンぶり2人目。浦和での受賞者は坪井慶介(02年)、田中達也(03年)、長谷部誠(04年)、原口元気(11年)に続く5 人目となり、同クラブの受賞人数は歴代最多となる。現在チームメートの阿部勇樹も、ジェフユナイテッド千葉時代の05年に受賞している。

「過去を見ても素晴らしい選手が受賞してきたので、自分もそこに選ばれたことはうれしさも責任もあります」

 その責任は、準決勝で敗退したことでも強く感じている。決勝はホームの埼玉スタジアムで開催されるだけに、悔しさも倍増だった。

「敗退したゲーム(セレッソ大阪戦)もその前のゲームでも防がなければいけない失点がありましたし、責任を感じています。だからこそ、その責任や経験がチームの結果に結びつくような成長をしなければならないと強く感じました」

 伸びやかなポテンシャルを持つ若き守護神は、この賞をきっかけにさらに大きな存在になるだろう。

ニューヒーロー賞歴代受賞者と受賞時の年齢

1996年 名波 浩(磐田・23歳)、斉藤 俊秀(清水・23歳)
1997年 三浦淳宏(横浜F・22歳)
1998年 高原直泰(磐田・18歳)
1999年 佐藤由紀彦(FC東京・22歳)
2000年 鈴木隆行(鹿島・23歳)
2001年 曽ヶ端準(鹿島・21歳)
2002年 坪井慶介(浦和・22歳)
2003年 田中達也(浦和・20歳)
2004年 長谷部誠(浦和・20歳)
2005年 阿部勇樹(千葉・23歳)
2006年 谷口博之(川崎F・20歳)
2007年 安田理大(G大阪・19歳)
2008年 金崎夢生(大分・19歳)
2009年 米本拓司(FC東京・18歳)
2010年 高萩洋次郎(広島・23歳)
2011年 原口元気(浦和・20歳)
2012年 石毛秀樹(清水・17歳)
2013年 齋藤 学(横浜FM・22歳)
2014年 宇佐美貴史(G大阪・21歳)
2015年 赤崎秀平(鹿島・23歳)
2016年 井手口陽介(G大阪・19歳)
2017年 西村拓真(仙台・20歳)
2018年 遠藤渓太(横浜FM・20歳)
2019年 中村敬斗(G大阪/トゥウェンテ=オランダ・18歳)
2020年 瀬古歩夢(C大阪・20歳)
※年齢は受賞年の初戦試合日時点、所属チームは当時


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