上写真=7月17日以来、3カ月ぶりに公式戦でプレーした大島僚太(写真◎J.LEAGUE)
■2021年10月24日 明治安田生命J1リーグ第33節(@等々力/観衆11,576人)
川崎F 1-0 清水
得点:(川)レアンドロ・ダミアン
チャンスの残された大会に全力で臨む
71分に登場し、アディショナルタイムも含めて20分強。大島僚太が約3カ月ぶりに公式戦でプレーした。ケガにより開幕からプレーすることがかなわず、7月17日に一度は復帰を果たしていた。先発に名を連ね、1ゴールをスコア。勝利に貢献したが、その試合から再び戦列を離れることになった。
あの日と同じ清水戦で今季2試合目となるピッチに立った。1-0とリードしている状況だったものの、チームは相手の守備ブロックの前に攻めあぐね、2点目を挙げられずにいた。大島は「流れ的にはもう少しチームとしてボールを保持する時間を増やしたかった。監督からの指示もあったので、そこをもう少しできたらなというところと、守備の部分で自分の中での整理も必要」と感じていたという。
清水が集中した守備を見せていたこともあり、「選手同士の距離に気をつけるというか、良い距離に立てればというのがありましたが、自分が出てからあまり落ち着かずにカウンターが増えた。どのあたりは反省点」と、振り返った。ビッグプレーは見られなかったが、着実にチームを機能させるべく、最適な場所に立って堅実にプレーした。
1点を争う緊迫の場面で大島を『復帰』させた鬼木達監督は「様子をうかがっているシーンもあったかなと思います。ゲームになったら球際もいかないといけない。ただ久しぶりに公式戦で出られたので、ここからもっと上がっていくと思います」と語り、「相手を見るとか、ちょっとしたところで違いを出せる選手。もっとボールに絡む回数を増やしてくれれば」と今後に期待を寄せた。
旗手怜央と交代する大島がピッチ脇に表れたとき、スタンドから大きな拍手が沸き起こった。サポーターも、その瞬間を待っていた。
「リーグと天皇杯、チャンスの残された大会は二つなので、その二つに全力で臨みたい。僕自身、限られた試合数ですけど、たくさん試合に絡みたいと思っています。次の天皇杯(27日・鹿島戦)もチーム一丸となって頑張りたい」
タイトル獲得へ、チームがさらに加速するタイミングで頼もしい男が帰ってきた。誰もが待っていた復帰はここに実現した。次なる期待は、ナンバー10の完全復活になるーー。