上写真＝岩波拓也はキャプテンマークを巻いて最後まで1点を目指して戦った（写真◎J.LEAGUE）
■2021年10月10日 JリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦（＠ヨドコウ/観衆8,654人）
C大阪 1-0 浦和
得点者：（C）加藤陸次樹
「いかにフリーの状態を作ってあげられるか」
「このチームでキャプテンとして試合に出られるのはすごく誇らしいことですけど、今日はどんな形であれ結果を出して決勝に進むのがチームの目標だったので、勝ちにもっていけなかった責任は感じています」
浦和のセンターバック、岩波拓也は1点に泣いて敗退することになって、絞り出すように振り返った。左腕に巻いたキャプテンマークの重みを感じながらも、あと一歩及ばなかった。
もちろん、その立場にふさわしい活躍ぶりだ。J1リーグではここまで1試合に欠場しただけで、30試合に出場。プレー時間2,633分はチームの中で最も長い。ルヴァンカップでも12試合中11試合を戦っている。リカルド・ロドリゲス監督からの信頼は厚い。
悔しさの理由には、目の前でゴールを決められたこともあるだろう。53分、右からのクロスに対してニアサイドに走り込んだ加藤陸次樹が左足でシュート、岩波はしっかりと対応していてコースを消してGK鈴木彩艶にブロックさせた。ところがそのこぼれ球が再び加藤の足元へ。今度はかわされて右足で蹴り込まれたのだ。
攻めても1点が遠かった。リズミカルなボールの動きで相手を翻弄するのが自慢のスタイルだが、この試合はC大阪がボールホルダーへの寄せを速く強く仕掛けてきて、強度は最後まで落ちなかった。
「小泉（佳穂）選手や江坂（任）選手がタメを作ってパサーになる状況が多いので、相手に狙われつつあるとは感じています。そこでつぶされてカウンターというシーンもありましたので、もう少しサイドから攻めても良かったですし、いろいろ反省点はあります」
パスの出どころをつぶす作戦は、これから戦うほかのクラブも十分に参考にしそうだ。しかし、彼らのパスセンスという強みを消されたままでいるつもりはない。
「彼らがいまの浦和の中心でプレーしているのは間違いないので、いかにフリーの状態を作ってあげられるかが僕らの仕事ですし、生命線でもあります。チームとして打開していかないといけないと思います」
ルヴァンカップはここで敗退となったが、目標であるAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得するために、J1での3位以上、そして天皇杯優勝へ向けて、「キャプテン」の自覚を持って、これを貴重なレッスンにするつもりだ。
写真◎J.LEAGUE
