上写真＝鈴木彩艶はルヴァンカップで大きく成長。次のステップへと進んでいく（写真◎J.LEAGUE）
■2021年10月10日 JリーグYBCルヴァンカップ準決勝第2戦（＠ヨドコウ/観衆8,654人）
C大阪 1-0 浦和
得点者：（C）加藤陸次樹
「寄せることができれば弾けたんじゃないか」
ルヴァンカップ決勝の会場は埼玉スタジアム。浦和レッズはファイナリストとしてホームへ堂々と帰還するという願いを実現できなかった。
「埼玉スタジアムに戻って決勝に出ることを今回のゲームの目標にしてきたので、達成できず悔しいです」
GK鈴木彩艶の悔恨だ。53分、セレッソ大阪が右から攻めてきた。丸橋祐介のニアサイドへのセンタリングを加藤陸次樹が狙ってくる。鈴木はしっかりと反応してブロックした。しかし、不運なことにボールは再び加藤の足元へ。今度は右足で力のこもったシュートを打ってきた。ニアサイドに飛んできたボールに触ったが、無情にもゴールへと転がり込んだ。
「シュートを打たれる前に少し時間があったので、寄せることができれば弾けたんじゃないか、体にぶつけられたんじゃないかと思います」
最初のシュートのこぼれ球を拾った加藤は右に持ち出していて、そこにわずかな時間ができた。寄せることが現実的に可能だったかはわからないが、失点の悔しさをそのまま放っておくことはできない。少しでも学びを得なければ、意味がなくなってしまう。
鈴木は今季、このルヴァンカップでプロとして初めてプレー、その活躍が認められてリーグ戦でもデビューから3連続完封など、印象的なプレーを続けると、さらには東京オリンピックのメンバーにも選ばれた。すべてはこのルヴァンカップから始まったが、その冒険も準決勝でひとまず終わりを告げた。
「この大会で公式戦デビューをすることができましたし、そこから試合を重ねて、自分自身ゲームの中で成長を感じました。その上でこの大会からリーグ戦にも関わることができました。メインで出場してきたからには決勝に出て優勝するというメンタリティーでやってきましたけど、それを達成できなかったことに責任を感じています」
ゴールを守ってチームを勝たせる、プロとしての責任。失点と敗退によってその重みを両手に感じながら、若き守護神は次のステップへと進んでいく。
写真◎J.LEAGUE
