上写真=長谷川健太監督は川崎Fへのリスペクトを持ちながら、「チャレンジャー」としてすべてをぶつける(写真提供◎FC東京)
「できることをすべてぶつけて」
「強いです」
誰もが感じているその印象を、FC東京の長谷川健太監督も同様に持っている。次の相手は川崎フロンターレだ。2位の横浜F・マリノスに勝ち点9の差をつけて連覇へ突き進む「多摩川クラシコ」のライバル。その強さを謙虚に受け止める。
「逆転勝ちが3試合続くのは、スイッチ入ったときの強さがあるなという印象です。鹿島戦はいい内容ではなかったと思いますが、それでも勝ちきってしまうのは本当に強いチームだなと改めて感じました」
昨季チャンピオンへのリスペクトはしっかり持ちながらも、優位な点もあるだろう。川崎Fは5連戦で今回が中2日での試合。そして、逆転勝利を続けているということは、先制点を許しているということでもある。FC東京がリーグ戦において得点を記録している試合を振り返ると、13試合連続で先制点を挙げている。
ただ、そんなデータに頼っているわけではない。
「明日のゲームは連戦の最後なので、これで最後というパワーは選手にもあると思いますし、ターンオーバーしながら戦ってきているので、フレッシュな選手が前線に出てくると思います。淡い期待をすると砕かれてしまうので、先制点を取られているとかスキがあるとか、まったく参考にならないと思っています。立ち上がりからインテンシティーの高いサッカーを仕掛けてくると思うので、それぐらいの覚悟で臨みたい」
川崎Fの鬼木達監督も同じように「覚悟」という言葉を使ってこの試合への意気込みを語っている。そして、「勝負に対する徹底が素晴らしいですし、尊敬しています」とこちらも長谷川監督へのリスペクトを口にしている。
「鬼木監督には手の内をすべて見透かされていると思いますが、できることをすべてぶつけていきたい」
長谷川監督はそう返す。昨季のルヴァンカップ準決勝では、タイトな守備戦術が効果を発揮してアウェーで2-0の勝利をもぎ取っている。監督同士の戦略のぶつけ合いも熱い多摩川クラシコ。今回の結果はいかに?