上写真=長友佑都の口からは次々に燃える気持ちが飛び出してくる。目標はタイトル獲得だ(写真提供◎FC東京)
「常勝クラブでなければ盛り上がりません」
長友佑都らしい笑顔と熱意があふれ出て、止まらなかった。
「感動しています。心が震えるとはこういうことなのかと」
無所属だった長友が選んだ次のステップは、古巣のFC東京だった。11年ぶりの凱旋だ。2007年から最初は特別指定選手としてFC東京でプレーして、10年夏にイタリアへ。チェゼーナ、インテルとイタリアで地位を築き、トルコのガラタサライ、フランスのマルセイユを経て、FC東京に帰ってきた。国内外のクラブから多くのオファーがあったと認めるが、決め手になったこともこの人らしい。
「愛するクラブだからですよね、それ以外はない」
FC東京でタイトルを獲得することが目標の一つ。「ポジションが約束されていると思っていない」と現状を見据えた上で、「まずはプレーで見せることはもちろん、モチベーターというかチームを精神的に支えるメンター的な存在になりたい」と役割は自覚している。
11年前、FC東京を離れるときのセレモニーで「もっともっとビッグになって、世界一のサイドバックになって、またこの青赤のユニフォームを着てこのピッチに立っていられるように」「出会いがあれば別れもあると思いますが、僕はみなさんと別れるつもりはありません」の約束を守って帰ってきた。しかし「有言実行ではない」のだと自分を戒めるように話す。
「目標は達成していません」「まだ世界一のサイドバックになっていません」「ここでしっかりパフォーマンスを出して、来年のワールドカップで最高の活躍をして目標を達成したい」と次々に前向きな言葉が飛び出してくる。
「若いときも野心がありましたが、いまのほうが野心あふれるばかりで、情熱が湧き上がってきている」からだ。
求められるのは、ピッチの上の存在感だけではないだろう。FC東京というクラブそのものがもっと大きく強くなっていくために、プレーヤー以上の存在としてやるべきことはある。
「それができると思っているからここに来ているんですよ。首都のクラブで、東京は花の都ですから、ビッグクラブでなければいけないですし、常勝クラブでなければ盛り上がりません。東京都の都は『みやこ』で、長友佑都の『都』と同じという縁も感じていて、『佑』は助けるという意味があるので、都を助けるために燃えています」
背番号は50。選んだのには意味がある。
「大好きな5に、原点回帰の意味を込めて0をつけて50にしました」
またゼロから始まる長友佑都の物語。青赤のサポーターが長友本人に負けないぐらい熱く熱く見守っている。
長友佑都(ながとも・ゆうと)
■ポジション:DF
■背番号:50
■生年月日:1986年9月12日
■出身:愛媛県
■身長/体重:170cm/68kg
■経歴:東福岡高-明治大-FC東京-ACチェゼーナ(イタリア)-インテル・ミラノ(イタリア)-ガラタサライSK(トルコ)-オリンピック・マルセイユ(フランス)