上写真=マルシーニョは自慢のスピードで川崎Fをさらに進化させる(c)川崎フロンターレ
「スピードはうまくコントロールしなければいけない」
川崎フロンターレに期待の新戦力がやってきた。スピード自慢のアタッカー、FWマルシーニョだ。背番号は23。
「実は23はすごく特別な番号なんです」
その理由は、ちょっと意外で優しかった。
「クラブからはいくつか背番号の候補をもらったのですが、23があったので迷いなく選びました。奥さんと出会ったのが23日だから、特別な数字なんです」
もちろん夫人にはすぐに知らせて「すごく喜んでくれましたし、新しい23を夫婦で共有することができます」とニコニコと笑った。
愛の23番、というわけだ。
自身のプレーについては「スピードが武器」ときっぱり。
「いろいろなスピードを兼ね備えていて、長い距離も走ることもできるし短い距離で一瞬でスピードを上げて抜き去ることも得意です」
それはゴールパターンに表れているという。前所属は中国の重慶だったが、「中国では後方から自分で運んで決めたゴールもありますし、一瞬のスピードを生かして決めたこともあります」とロングドリブルでも短距離のクイックネスでも決めることができると胸を張った。川崎Fの4-3-3のフォーメーションでは左右のウイングに適性がありそうだが、「どちらでもプレーできますが、選べるならば左のほうが得意というイメージはあります」。三笘薫が移籍して、長谷川竜也、宮城天、遠野大弥らが狙うポジション争いに参戦することになりそうだ。
自慢のスピードは「生かし方」が大事だと心得ている。
「自分のスピードはうまくコントロールしなければいけないと思っています。フロンターレのスタイルの中で出すものであって、タイミングよくスピードを上げないとフィットしないからです。練習の中でタイミングをつかめるようにしていきます」
自分勝手に走り回るようなことはない、という主張である。チームのために自分を生かすというキャラクターは、川崎Fにはぴったり合うだろう。何より笑顔が似合うから愛されそうで、溶け込むのも早そうだ。
「笑顔をほめてくれてありがとう(笑)。常に笑っていることが好きです。明るい性格だと思っていて、チームメートや友達とふざけ合ったりするのも好きですし、周りの人に悲しんでいる顔を見せたりイライラしているところを見せるのは好きではありません。常に明るく楽しく笑顔でいたいので、もっともっと笑顔を見せていきたいと思います」
鬼木達監督は過密日程で練習に割く時間が少ない現状から、試合の中でフィットさせる構想もあると発言している。マルシーニョ自身も「比較的早い段階で以前のコンディションに持っていけると思います」と感じているから、デビューは意外と早いかもしれない。
ということはつまり、ピッチの上で自慢のスピードと勝利のあとの最高の笑顔を見せてくれる日も、遠くはないということだ。