ガンバ大阪は1日、ルヴァンカップ準々決勝第1戦、セレッソ大阪戦に臨み、敵地ながら1-0で勝利を飾った。なかなかゴールを奪えない苦しい展開の中、決勝点を挙げたのが山見大登だ。J1第24節の清水エスパルス戦に続き、再びチームを勝利に導いた。

上写真=ゴールを決め、パスの出し手である柳澤亘のもとへ走る山見大登(写真◎J.LEAGUE)

■2021年9月1日 YBCルヴァンカップ準々決勝第1戦(@ヨドコウ/観衆4,205人)
セレッソ大阪 0-1 ガンバ大阪
得点:(ガ)山見大登

技術の高さとシュートセンスを感じる(松波監督)

 22歳の俊英が、またしても大仕事をやってのけた。関西学院大の4年生で特別指定選手としてプレーする山見大登がJ1第24節の清水エスパルス戦に続き、勝負を決めるゴールを挙げたのだ。しかも、大阪ダービーという注目のゲームである。

「僕がサポーターの頃からけっこう見ていましたけど、サポーター同士もけっこう熱くなるし、絶対に負けられない試合だなと思っていました。リーグ戦では何もできずに負けてしまったので、今日はカップ戦ということですけど、アウェーで点を決めて勝つということが大事だと分かっていたので、それに貢献できてよかったです」

 28日にJ1でセレッソ大阪と対戦し、0-1で敗れた4日後、今度は同じC大阪とルヴァンカップの準々決勝第1戦で対戦した。言わば雪辱戦だったが、G大阪は試合開始から好機を生み出すものの、得点につなげられずにいた。

 山見が登場したのは、67分。均衡を破る、つまりはゴールにつながるプレーを期待されてピッチに入った。

 相手最終ラインと駆け引きし、何度も裏を突きながらチャンスをうかがう。歓喜の瞬間は、試合終了間際にやってきた。

 89分。右サイドに開いた柳澤亘が鋭く速いクロスをボックス手前にポジションを取る山見に送る。山見は左足でボールを収めると、すぐさま左足でカーブをかけたシュートを放った。素早い判断と決断、足の振りとコース選択。流れるようなプレーと正確なシュートに、相手GKキム・ジンヒョンは反応できず、ボールを見送るよりほかなかった。

「ジンヒョン選手がニアに寄っているのが見えたのでファーに打てば入るかなと。それまでのプレーで背後を狙っていたので、相手のCBの選手が下がる動きが見えたので、そこで柳澤選手と目が合って、自分で止まって受けたら前を向けたので、それでシュートコースができました」

 ひりひりするような展開の中、冷静に状況を見極めて、ネットを揺らした。松波正信監督は「相手の嫌なところ、嫌なところにタイミングよく走れますし、ああいう狭い局面の中でもコースをしっかり狙って決め切るというところには本当に技術の高さとシュートセンスを感じます。あとは(練習後に)残ってスタッフがシュート練習をしてくれている結果でもあると思います。ここ数試合の勝利は、山見に助けられているというところはありますので、感謝したいですね」と称賛を惜しまなかった。

 8月5日に特別指定選手として承認され、13日の清水戦でデビュー戦ゴールを決めて1-0の勝利に貢献。そしてこの日は、その清水戦で決めたような鮮やかなゴールで、再びチームを1-0の勝利に導いた。前節のリーグ戦でホームながら大阪ダービーに敗れ、カップ戦でまずは雪辱。9月5日に行なわれるルヴァンカップ準々決勝第2戦に向けて大きなアウェーゴールにもなった。

「ホームのサポーターの前で、ダービーで勝つというのは今年できていないので、しっかり勝ちたい」

 すでに2度、苦しむチームを救ってみせた山見。物おじせす、堂々たるプレーを続けるFWへの期待は高まるばかりだが、当然ながら今後はマークもきつくなるだろう。だが、2度あることは、3度だけではなく何度もあるーーそう思わせるプレーぶりを山見はこの日、示してみせた。


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