9月1日のJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝第1戦で、浦和レッズは川崎フロンターレをホームに迎えた。後半に追いつかれてくしくもドローになったが、関根貴大が決めた先制ゴールはいまの浦和の魅力が詰まった一発だった。

上写真=35分に先制ゴールを決めた関根貴大が仲間に祝福される(写真◎J.LEAGUE)

■2021年9月1日 JリーグYBCルヴァンカップ 準々決勝第1戦(@浦和駒場/観衆4,629人)
浦和 1-1 川崎F
得点者:(浦)関根貴大
    (川)家長昭博

「このゲームを無駄にしないためにも」

 江坂任がGKチョン・ソンリョンを誘い込んでからパスをくれたから、関根貴大は右足のインサイドキックでプッシュするだけで良かった。35分の先制ゴール!

 9月1日、ルヴァンカップ準々決勝の第1戦はホームゲームだ。31分に川崎フロンターレの右センターバック、ジェジエウが負傷で交代、代わって入った山村和也に対して、その直後に小泉佳穂と江坂の2トップが激しく寄せて奪い取ったボールだった。

 左寄りのその場所から、逆サイドのMFが遠くない場所にいたことが、このゴールのもう一つのキーになった。選手が正しい場所に立つ。リカルド・ロドリゲス監督のサッカーの真骨頂だ。

「前からはめるためにどのポジションを取って、どの立ち位置から出ていくかを意識していました。2トップが守備を前線からはめてくれてついていったし、チーム全体として高い位置からプレッシャーをかけていたことが得点シーンにつながったと思います」

 この日の2トップはどちらも登録はMFで、その器用さゆえにFWとしてプレーすることができる。ともに、前線に張ってボールを呼び込むよりは、相手の嫌がる場所を見つけながらどんどん動いていくタイプ。その2人が作ったスペースを、右の関根と左の汰木康也のサイドハーフが連動して利用できれば攻撃ははまる。守備も同様で、2トップの動きにいかに合わせるかが重要だった。

「奪い方が前向きだったので、そういうシーンが増えたのだと思います」

 そういう、というのは、裏にどんどんと抜け出すプレーのこと。2トップの機動力で守備が機能し、そこからそのままトランジションして前に前にと進んだから攻撃が威力を増した。

 だからこそ、追加点がほしかった。72分にPKを決められて追いつかれ、そのままドローに終わった。

「僕にもチャンスはあったし、この試合は勝ちたかった」

 確かに十分に勝利に値する90分だった。リカルド・ロドリゲス監督も「攻撃もディフェンスも良くできた」と満足感を示していて、結果以外は前向きに受け止めていた。

 準々決勝第2戦は4日後に待っている。

「内容はポジティブな要素がたくさんあったけれど、このゲームを無駄にしないためにも、どんな内容であれ勝たなければいけないと思います。中3日でしっかり準備していきたい」

 関根自身はこれで公式戦5試合連続先発出場だ。

「リズムよく試合ができていることが大きいですね。チームも負けなしですし、個人でも結果が出てきているので、気持ちの余裕が出てきているかなと思います」

 次にどんな使われ方をするかはわからないが、シンプルに勝てば突破が決まる状況で、好調ドリブラーがもうひと仕事をやってみせる。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


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