上写真=車屋紳太郎は札幌戦までリーグ戦3試合連続フル出場。勝てない試合が続き「責任を感じていた」という(写真◎J.LEAGUE)
「しつこく何度もプレスをかけ続けるしかない」
引き分け、引き分け、負け。この夏、川崎フロンターレの調子が上がらない、と話題になったが、J1第27節の北海道コンサドーレ札幌戦では2-0で勝利。連敗を避けて、一安心だ。
この4試合は柏、広島、福岡、札幌と移動が続き、今季初の無得点(△0-0柏レイソル)や今季初の黒星(●0-1アビスパ福岡)もあったから、ことさらに悪い流れが強調されていた。車屋紳太郎はここ3試合にフル出場を続けて「責任を感じていた」という。谷口彰悟の負傷が長引いていまだメンバー入りに至っていないが、それだけ車屋の存在がクローズアップされている。
過密日程は続くが、ここでリーグ戦は小休止で、戦いの場はルヴァンカップ準々決勝に移る。相手は浦和レッズ。まずは9月1日にアウェーで、5日にホームで連続して戦う。今季はリーグ戦で一度、3月21日の第6節でアウェーで対戦していて、5-0の大勝を飾った。ただし、浦和は積極補強によってそのときから大きく変貌した。単純には比べられないが、参考までに直近の湘南ベルマーレ戦との比較で言えば、先発は5人が代わっている。
「前回アウェーでやったときとはメンバーがガラッと変わってくると思いますし、個の力、例えばユンカー選手は映像で見ていていい選手だなと思っています。いかに仕事をさせないかが大事だと思います」
センターバックとしてはやはり、そこが気になる。キャスパー・ユンカー。4月に移籍してきて、リーグ戦ではデビューから4試合連続ゴールを含む14試合で8得点、ルヴァンカップでも2試合1ゴールをマークしているストライカーだ。車屋の目からはどこが「いい選手」なのか。
「短い時間で浦和にフィットして点を取っていますし、あれだけのサイズがありながら裏に抜けて点を取ったり、何でもできる選手だと見ていて感じています」
186センチ73キロの痩身で、一気にボールを運び出すスピードの持ち主。そうかと思えば、巧みなポストプレーやペナルティーエリア内で相手を外すクイックネスも持ち、狭い場所を突破する柔軟な技術や確実にゴールを射抜くシュートテクニックもある。守る方からすればやっかいなことこの上ない。
「特にしつこく何度もプレスをかけ続けるしかないと思います。特別なことというよりも、当たり前のことを90分、続けてやっていくしかないと思いますね」
というわけで、秘策は、ない。
だからこそ、ホーム・アンド・アウェーの180分で、車屋がユンカーをどんなふうに封じ込めていくのかはとても興味深い。